2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500539
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
塚原 玲子 Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 機能発達学部, 主任研究員 (80227371)
|
Keywords | 皮膚交感神経活動 / 随意動作 / 潜時 |
Research Abstract |
重度運動障害者のための動作によらない意思伝達システム開発のため、随意動作発現の過程と交感神経活動の関わりについて分析を進めている。本年度は、健常成人を被験者として随意動作にともなう皮膚電位反応、皮膚交感神経発射活動を記録し、電気刺激によって誘発したtwitch contractionの場合と比較した。皮膚交感神経発射活動を記録したのは、汗腺に神経インパルスが到達してから皮膚電位に変化が現れるまでの過程を含まないため、中枢過程の時間がより正確に推定できるからである。また、皮膚電位反応は立ち上がりが緩やかであること、実験時間の経過に伴い振幅・波形が変化しやすいので、測定のばらつきが大きくなりがちである。皮膚交感神経発射活動の測定においては、ばらつきが小さくなることが期待される。 実験結果は以下のとおりである。 1随意動作開始のためのGoシグナルからの皮膚交感神経バーストの潜時は筋電図反応時間と有意な正の相関を示した。 2随意動作の筋放電開始からの皮膚交感神経バーストの潜時は608±85ms、twitch contractionからの皮膚交感神経バーストの潜時は、746±82ms(mean±SD)であり、随意動作によるバースト潜時のほうが有意に短かった。 これらのことから、随意動作に伴う皮膚交感神経バーストは筋放電開始に関連して起こり、随意動作の結果としての体性感覚によって誘発されたものではなく、中枢性の機序によるものと推察された。現在、中枢過程時間の推定を進めている。
|