2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500539
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
塚原 玲子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 主任研究員 (80227371)
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Keywords | 皮膚交感神経活動 / 随意動作 / 微小神経電図 / 脳性まひ / 交感神経皮膚反応 |
Research Abstract |
重度運動障害者のための動作によらない意思伝達システム開発のため、随意動作発現の過程と交感神経活動の関わりについて分析を進めている。昨年度は、主に随意動作に伴う皮膚交感神経活動(skin sympathetic nerve activity, SSNA)と随意の筋放電開始との時間関係を分析し、運動の中枢過程がSSNAバーストに関与することを示唆する結果を得た。今年度は、刺激の知覚・認知から随意動作発現に至る中枢過程とSSNAバーストあるいは交感神経皮膚反応(sympathetic skin response, SSR)とのかかわりを探るためにgo-no go課題を用いて実験を行った。さらに、中枢性運動コマンドによるSSNAバーストの潜時を推定するため、経頭蓋磁気刺激によってSSNAバーストを誘発した。健常成人9名を対象として微小神経電図法により記録したSSNAバースト出現率は、9名中7名においてgo条件のほうがno go条件より高く、8名においてSSNAバースト潜時と随意筋放電開始時間との相関が示された。同様の傾向は、アテトーゼ型重度脳性まひのある成人3名中2名においてgo条件での有意に高いSSR出現率、SSR潜時と筋放電開始時間の有意な相関として認められた。このことから、脳性まひの有無によらず中枢性運動コマンドあるいは運動準備過程が皮膚交感神経の興奮に強く関わることが示唆される。随意動作発現がSSNAバーストに関わる中枢メカニズムについては、健常被験者から得られた電気刺激、磁気刺激、随意筋放電開始からのSSNAバースト潜時と脳波データから推定を試みている。
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Research Products
(10 results)