2010 Fiscal Year Annual Research Report
静止画像を用いた関節スティフネス調整を伴う観察運動学習
Project/Area Number |
21500540
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 憲政 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (00210469)
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Keywords | 関節スティフネス / 観察運動学習 / ムチ運動 / 自己運動 |
Research Abstract |
本研究は、観察運動学習の際に提示するキネマティクス情報として、どのような映像や静止画が適切かを検討することが目的である。さらに本研究が対象とする運動は、リズムや運動の順序といったキネマティクス情報だけで運動学習が達成できる従来の観察運動研究で用いられてきた運動ではなく、力発揮や関節のスティフネスを変化させなければならない運動が対象である。そこで本年度は、関節トルク調整を必要とする運動としてムチ的運動である投球動作を対象とて、自己が行う関節トルク調整と画像から得る情報の関係を検討した。まず、お手本の投球動作を撮影し、その画像データから上肢の各関節トルクを算出した。そしてそのトルクを徐々に変化さて動きを連続的に変化させ、それらを一連の連続映像として作成した。被験者はその連続して徐々に変化する観察映像を観察し、異なる動きと判断したところで映像を止めた。さらに、その動きがどのように異なるかを自己の動きとして実際に出力した。その結果、関節の角度や姿勢といった位置情報ではなく、動きが立ち上がる、あるいは位相が変化するといった、速度情報と加速度情報を動きの変化情報として動きの違いを判断していた。さらにその変化を実際の動きとして表す実験では、実際に映像の変化に酷似したトルク変化を行って動きを変化させていた。つまり、動き情報から自己が行おうとする力情報を得ており、このことは、自己運動に関与する力情報を用いて他者の動きを観察している可能性を示唆した。
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Research Products
(2 results)