Research Abstract |
本年度は,中学生男子12名と大学生男子12名を対象に,安静時,日常生活活動時,トレッドミル運動負荷テストによる歩行または走行時のエネルギー代謝量をダグラスバッグ法で採取した呼気ガスを乾式ガスメーター(喚気量)と質量分析機(酸素,二酸化炭素濃度)により測定すると同時に,3軸加速度計による活動強度を測定し,エネルギー代謝量と加速度値の関連性の検討を行った.安静時は,(1) 座位テレビ:安定してから5分間採気,(2) 座位折り紙:安定してから5分間採気,(3) 立位テレビ:安定してから3分間採気,(4) 立位→椅子座位を10秒ごとに繰り返す:安定してから2分間採気,(5) 立位→床に座位を10秒ごとに繰り返す:安定してから2分間採気,を行った.日常生活活動時は,(6) 腕回しサイドステップ(座位):後半の1分間採気,(7) 腕回しサイドステップ(立位):後半の1分間採気,(8) ボール投げ(2人組でドッジボールを投げ合う):安定してから1分間採気,(9) ほうきでの掃除3~5分:安定してから1分間採気,(10) 階段を昇る1階から4階までゆっくり階段を昇る:後半の1分間採気,(11) 階段を降りる4階から1階までゆっくり階段を降りる:後半の1分間採気,を行った.トレッドミル運動負荷テストは,(12) 歩行時速1kmで3分,(13) 歩行時速3kmで3分,(14) 歩行時速5kmで3分,(15) 走行時速5kmで3分,(16) 走行時速7kmで3分,(17) 走行時速9Kmで3分,行った. その結果,大学生,中学生いずれにおいても,トレッドミル運動負荷テストを中心にした歩・走行時または,安静と歩・走行を含まない日常生活行動とを区分して分析したところ,エネルギー代謝量と3軸の合成加速度値との間にはいずれも相関係数が0.9を超える強い相関関係が認められ,それぞれを対象に2本の回帰直線を引くことで合成加速度値からエネルギー代謝量が推定できる可能性が示唆された.
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