2010 Fiscal Year Annual Research Report
「子どもの運動指針」策定と学校での体力向上実践プログラム開発について研究
Project/Area Number |
21500543
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
足立 稔 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70271054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 裕 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00136334)
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Keywords | 子ども / エネルギー消費量推定 / 加速度計 |
Research Abstract |
本年度は,3軸加速度計を用いて小学生の身体活動量を精度よく評価する評価方法を開発することを目的に,呼気ガス分析によるエネルギー消費量(EE:Energy Expenditure)と加速度の関係から,3軸加速度計よりEEを推定する方法論の確立(研究を行った.小学生男子児童10名を対象に,実験室で日常生活活動(11種目),歩行・走行運動テスト(6種目)を実施し,EEと腰部に装着した加速度計がカウントした加速度値との関係を検討した.加速度の測定には3軸加速度計(AMOO1,タニタ)を用い,x軸,y軸,z軸で得られた加速度値を60秒ごとの平均値で算出した合成加速度を分析に用いた.EEは,各活動で採取した呼気ガス分析により定量した酸素摂取量と二酸化炭素排泄量からWireの式に当てはめて算出した.その結果,加速度とEEとの間に有意な正の相関(日常生活活動:r=0.855,p<0.001,歩行走行運動:r=0.949,p<0.001)が認められたことから,子どものEEを推定する場合,3軸加速度を用いることで精度よくEEが推定できることが示された.次に,加速度値からEEを求める推定式を検討するために,単回帰分析及び重回帰分析による回帰モデルの検討を行った.その結果,回帰モデル(日常生活活動式(A式):z=0.032x×0.035y-0.126,歩行走行運動式(B式)=z=0.018x×0.057y-0.657,z:EE(kcal/kg/min),x:加速度値,y:体重)の決定率は95.7%であり,この回帰式を用いて推定したEEと実測EEとの間には高い相関(r=0.982,p<0.01)が見られた.また,この回帰モデルのA式とB式の切り換え点を検討したところ,日常生活活動と歩行3kmとの間の歩数率を切り替え点とすることが妥当であり,歩行3kmの最小値に近似する歩数率60歩をA式とB式の切り換え点とした.以上のことから,本研究で確立した回帰モデルにより,精度よく推定EEを算出することができると考えられた.
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