2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋の損傷治癒メカニズムは遅発性筋痛にどのように影響するのか
Project/Area Number |
21500545
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
桜井 智野風 東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (30235220)
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Keywords | 骨格筋 / 損傷 / 遅発性筋肉痛 / 一酸化窒素 / 発痛物質 |
Research Abstract |
伸張性収縮運動によって引き起こされる筋損傷時には、誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)によって一酸化窒素(NO)が生成される。筋損傷時の炎症によって引き起こされたNOが、遅発性筋痛のコントロールを行っているのではないかという考えのもと研究を進めてきた。プロスタグランジンE2(PGE2)は、アラキドン酸からシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)により合成される。PEE2の合成関連酵素であるCOXにはCOX-1とC0X-2の存在が知られており、COX-1は生体内の大部分に恒常的に存在している。またCOX-2は炎症性刺激によりマクロファージなどから合成され、NO生成に関与するiN0Sとの関連も大きい。そこで、筋損傷によるPGE2の変化はこのCOX-2を通じて影響を受けていると考えた。PGE2にはR1~R4の4つの受容体が存在し、R2は痛覚過敏に関係する受容体であるため、その動態を観察した。一方、セロトニン(Serotonin:5-HT)は消化管、血小板、中枢神経系に存在し炎症時において重要な役割を演じ、痛みを増強することが知られている。セロトニンの数多くある受容体のうち2Aは痛覚制御に関連している。筋損傷3日後にNOタンパクの筋内発現がピークを迎えるが、COX-2、PGE2、PGE2R2、5-HT2AもNO同様に3日後にピークを迎え、NOと何らかの関連があると示唆された。しかし、PGE2R2、5-HT2Aは共に受容体であり、発痛物質産生への直接の関係を立証するには至らなかったが、受容体の発現が起こっていることから痛みや痛覚過敏へのトリガーとなることは十分に考えられる。しかし、本研究においてNOとCOX-2に関係について言及することは出来なかった。今後も、遅発性筋痛のメカニズムを、生理学的・分子生物学的にとらえた詳細な研究が必要と考えられる。
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Research Products
(1 results)