2009 Fiscal Year Annual Research Report
分業に基づき関わりと理解を促進するボールゲームの戦術アプローチの開発
Project/Area Number |
21500555
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
土田 了輔 Joetsu University of Education, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (00251869)
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Keywords | 体育科教育学 |
Research Abstract |
本研究は、分業に基づき、個々のプレーヤーに立ち現れる個別の課題に取り組みながらゲームの理解を深めるポールゲームの授業を検討することである。 特に21年度計画では、中学生において今回提案している授業が、学習者の運動有能感や、ゲーム中の気づき(戦術的情況判断能)にどのように影響を与えるかを調査した。調査対象は、J市J中学校の男子生徒(n=50)、女子生徒(n=38)、合計88名であった。 学習者の単元前後での運動有能感の推移は、岡澤らの運動有能感尺度を用い、男女群(2群)×テスト時期(2)、第二の要因に繰り返しのある分散分析を実施した。また、学習者のゲーム中における気づきの変化に関しては、Richardsonらの戦術的情況判断能(Tactical Decision-making Competency)の4つのレベルを、毎授業直後に学習者に自己評価させた得点を用い、男女群(2)×テスト時期(11回)、第二の要因に繰り返しのある分散分析を実施した。 結果、単元前後に実施した運動有能感検査の得点推移は、男女の差がなく有意に上昇することが判明した。また、RichardosonらのTactical Decision-making Competency(TDC)を単元中に実施し、単元を通しての得点推移を調べた結果、男女差なく、TDC得点が上昇することが判明した。 上記の結果から、分業に基づき、個々のプレーヤーの個別の課題を明確にするボールゲームの授業は、学習者の運動有能感や、学習者のゲーム中での気づきを高める効果があることが事例的に判明した。
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