2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500558
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
奥田 援史 Shiga University, 教育学部, 准教授 (10233454)
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Keywords | 運動意欲 / きょうだい / 家庭環境 |
Research Abstract |
本研究は、運動意欲への家庭環境の影響について検討することが目的である。そのために、同じ家庭に育つきょうだい(sibling)2名を対象として、彼らの家庭での経験の違いが、運動意欲の形成にどのような影響を及ぼすかを分析する。 本研究代表者は、双生児データを扱う行動遺伝学的手法を用いて、運動意欲の個人差に対する遺伝及び環境要因の相対的影響度について推定したところ、遺伝要因の影響度が小さく、環境要因の中でも非共有環境要因の影響度が大きいという結果を報告している。非共有環境とは、「同じ家庭に育つメンバーが異なるように作用する要因」と定義づけられており、つまり、きょうだい間で異なる経験を意味する環境である。 そこで、非共有環境要因の測定のために、今年度は、きょうだいの差異経験に関する質問紙を作成した。この質問紙は、家庭での生活を中心とした経験について、「きょうだいのどちらによりあてはまるか」を尋ねる形式である。 次に、運動意欲に関する質問紙ときょうだいの差異経験に関する質問紙に関して、高校生から大学生の年齢範囲にあるきょうだい1組2名を対象として調査を実施した。大学の講義受講者を中心に、約300組のきょうだいに依頼したが、70組ほどのデータしか収集できなかった。 本研究では、きょうだい1組2名のデータがセットでないと分析を進めることができないため、質問紙の回収率を高める工夫をして、さらに調査を継続していく必要がある。
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