2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の歩行能力改善のためのバイオフィードバックシステムの開発と応用
Project/Area Number |
21500584
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡田 英孝 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (20303018)
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Keywords | スポーツバイオメカニクス / 歩行動作分析 |
Research Abstract |
本研究では,これまでに蓄積した274名の成人男女の歩行動作データに基づき,歩行中,歩行動作が一定の条件に達した際に歩行者に音もしくは光で知らせる機構を有するシステムを構築することにより,歩行者へのリアルタイムでの歩行動作のフィードバックを実現することを目的とした. 22年度までの研究成果は,以下の通りであった. (1)ジャイロセンサ,ゴニオメータ,フットスイッチからなる下肢動作計測システムを構築し,歩行動作中の下肢動作の計測における本システムの妥当性について確認した. (2)計測と同時に歩行者の下肢関節角度および下肢のスティックフィギュアを提示するプログラムを作成し,フィードバック情報を与えながら歩行を行うことを可能にした. しかしながら,歩行者の内観を調査したところ,スティックフィギュアや数値でのフィードバックは直感的でないなどの欠点が明らかになったため,研究最終年度である本年度はフィードバック情報の提示方法を改善することを目的に研究をすすめた.また,より効果的なフィードバック方法について検討した.本年度の研究成果は以下の通りである. (1)フィードバック情報を歩幅,ピッチおよび下肢キネマティクスに関するパラメータに限定し,リアルタイム聴覚フィードバックとオフライン視覚フィードバックを併用した歩行動作フィードバックシステムを構築することが出来た. (2)本システムを用いた歩行動作学習の有効性について検証した.その結果,リアルタイム聴覚フィードバックとオフライン視覚フィードバックを併用した本方法では,声掛けによる歩行指導と比較して有意に歩幅を増大させることが明らかになった. 以上のことから,本システムは歩行動作学習システムとして有用であり,本システムを用いることで歩行動作をより効果的に改善できることが示唆された.
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