2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500591
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小田 伸午 関西大学, 人間健康学部, 教授 (10169310)
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Keywords | 肩甲骨 / 鎖骨 / 三次元動作解析 |
Research Abstract |
肩関節疾患のない健常者12名を被験者として、上肢挙上動作時の肩甲骨動作を光学式モーションキャプチャーシステム(VICON)を用いて測定し、三次元動作解析することにより上肢挙上面による肩甲骨運動の違いを検討した。 方法;座位にて、屈曲動作(矢状面挙上)、肩甲面挙上動作(肩甲面は前額面の30°前方の面)および外転動作(前額面挙上)を測定した。上肢挙上角度は0°(上肢下垂位)、30°、60°、90°、120°、150°、180°とし、各挙上角度において静止した肢位を測定した。反射マーカーは頸切痕、剣状突起、第7頚椎棘突起、第10胸椎棘突起、肩甲棘内側三角、下角、肩峰に貼付した。マーカーと肩甲骨のずれによる誤差を解消するため、各上肢挙上位において、肩甲骨マーカーを貼り直して測定し、胸郭セグメントに対する肩甲骨セグメントの角度を算出した。 結果;上方回旋角度は、上肢挙上60°から150°において、外転動作の方が屈曲動作よりも有意に大きく、後傾角度は、90°から150°にかけて外転動作の方が屈曲動作よりも大きな角度を示した。一方、内外旋角度については、上肢挙上90°までは、外転動作では肩甲骨は外旋、屈曲動作では内旋した一方、90°以降は、外転動作においては内旋方向へ動き、屈曲動作では内旋位を維持した。なお、肩甲面挙上動作時の肩甲骨角度は屈曲動作と外転動作の間の値をとった。加えて、180°では肩甲骨の各角度に有意な差は生じなかった。肩甲骨は、上腕骨頭を求心位に保ち、かつ、肩峰下インピンジメントが生じないように、上肢の挙上方向によりその角度を変化させるが、上肢最大挙上位では上肢挙上面に関わらず同一の角度へ収束すると考えられた。 正常な肩甲骨動作を明らかにしたこの知見は、肩関節疾患患者の評価およびリハビリテーションにおけるプログラム立案にあたり、重要な臨床的意義をもつと考えられる。
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Research Products
(2 results)