2010 Fiscal Year Annual Research Report
動作ダイナミクスにおけるコーチング・ノードの探索と指導者の類型化
Project/Area Number |
21500592
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松尾 知之 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00209503)
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Keywords | スポーツ科学 / コーチング / 人工知能 / アンケート調査 / 投球動作 |
Research Abstract |
本研究は、熟練した運動指導者が有する経験知を、経験の浅い運動指導者に伝達するための経験知獲得支援システムのコンテンツ作成を目的に行われた。本年度は、中学野球部の指導者及び高校野球の指導者を対象に大規模なアンケート調査を行うことによって、投手の動作指導に関して指導者間の意見の相違点を明らかにすることを目的とした。 アンケート調査は、全日本軟式野球連盟に所属する中学軟式野球部および日本高等学校野球連盟に所属する硬式野球部の全チームに疑似無作為に郵送方式で実施した。中学野球部への送付総数は2731チーム、高校野球部へは2232チームの計4964チームで、有効回答数は、それぞれ786通、899通であった。 投球動作指導について、中学指導者と高校指導者および指導歴3年以下の指導者(非熟練指導者)と20年以上の指導者(熟練指導者)をχ^2検定にて比較した。まず、指導歴3年以下の指導者に関しては、中学指導者も高校指導者も動作指導法の分布に有意差はなかったが、指導歴20年以上の指導者に関しては、中学指導者と高校指導者では、1)振り上げ足を上げる際の軸足の使い方、2)振り上げ足の膝の高さ、3)軸足の膝の曲げ方、4)ステップ時の体幹の捻り具合、5)着地後の踏む出し足の動き、に有意差(p<.05)が認められた。また、高校指導者の非熟練指導者と熟練指導者を比較すると、1)片脚立位時の軸足の使い方、2)ステップ時の体幹の捻り具合、3)テイクバック時のグラブ腕の使い方、4)フォロースルー時の頭部の位置、に有意差(p<.05)が認められた。 また、1)片脚立位時の軸足の使い方、2)テイクバック開始時の両腕の使い方、3)ステップ時の体幹の捻り具合、4)着地時の踏み出し足の方向、5)着地時の体幹の具合、においては熟練指導者の75%以上が同一の見解を示した。
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