2010 Fiscal Year Annual Research Report
競技パフォーマンスと同時的情報処理様式に関する精神生理学的研究
Project/Area Number |
21500594
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
佐久間 春夫 奈良女子大学, 副学長 (10128572)
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Keywords | 同時的情報処理 / 競技パフォーマンス / 精神生理学 / 誘発脳波 / CNV / 競争 / vigilance |
Research Abstract |
本研究では、「多元的情報を保持し、瞬時に最適方略を選択し、遂行する」能力を同時的情報処理と捉え、これに共通する特徴として、まとまりのある行動といった目標性・一貫性、ある状況を乗りきるのに最適化された行動といった意味での即応性・適応性、ひとたび行動が開始されると最終目標まで一気にその行動の構成要素が連続的になされるといった無意識・自動性、少ないリソースで最大の効率を上げるといった意味での省資源性・効率性の四つを仮定し、体育スポーツ場面における瞬間の認知やプレーの適切性を論じる上で、今年度は競争場面での情報処理に関し、CNV(随伴性陰性変動)の構成成分と被験者特性である競争意識(動機づけ)との対応関係を調べ、バイオフィードバックへの方略を検討する上での基本的な知見を得た。 実験結果より、競争心の低い者は相手が見えることによりvigilanceレベルが上昇し,早期CNVが増大したものと考えられ、早期CNVの頭皮上の分布は前頭部優位を示しており、情報処理の仕方は競争事態における認知の特徴、競争心の高さによって異なることが示唆された.競争心の低い者は競争相手が見えることによってvigilanceレベルが上昇し、運動反応の準備状態のよさがパフォーマンスに反映されるといった特徴が見出された。一方、競争心の高い者は、競争相手の可視性が結果への期待と関連し、相手が見えることによって結果への期待や注意が増加し、競争時の後期CNVの増大につながり、勝敗結果への動機づけが高まる特徴を持つ可能性が示された。このように、ヒトの情報処理過程を探るには、競争場面、対人認知などの要因を把握することの必要性が示された。
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Research Products
(1 results)