2011 Fiscal Year Annual Research Report
プレッシャーと運動パフォーマンスに関する心理・生理・行動連関の総合的研究
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21500596
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関矢 寛史 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (40281159)
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Keywords | プレッシャー / ストレス |
Research Abstract |
本年度は、本研究期間の先行年度において実施したプレッシャー体験者の言語報告の分析に基づき、それらのプレッシャー体験の現象を実験において客観的データとして検証するための研究に取り掛かる年度であった。一昨年度は、半構造化面接によって得たプレッシャー体験者の言語報告を質的に分析した。そして昨年度はそこで明らかになった現象を質問項目に含めた質問紙を用いて、プレッシャー体験時の要因を因子分析によって明らかにした。本年度はそれらの分析で明らかになった現象を実験的に検証するために、実験課題や従属変数の選定を目的とした予備実験を複数行い、本実験のデータ収集に着手することを目的とした。なお、先行研究におけるプレッシャー実験の問題点として、実験参加者数の少なさによるプレッシャー強度の個人差やプレッシャー下におけるパフォーマンス変化の個人差などがあり、それらの問題を解決するために本年度と来年度の2年間を通して60名以上の実験参加者を測定し、事後的な群分けによる詳細な分析を行うことが計画されている。予備実験の結果に基づき、的を狙った正確投を実験課題として選び、生理的指標として心拍数、心理的指標として日本語版UWIST気分チェックリスト、行動的指標として肩・肘・手首の関節間の補償的変動などのキネマティクス変数や上腕・前腕の筋放電量と四肢内共収縮率を用いることとした。現在までに次年度も含めた全体の約4分の1の実験参加者の測定を行い、次年度も計画通り実験を継続することによって事後的な群分けに基づいた心理・生理・行動的側面の関係性を分析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心理的指標の測定として用いる質問紙の選定に複数の予備実験での試用が必要であったことから若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
事後的な群分けが可能な人数まで実験参加者を継続して増やす。ま左、実験データに見合った心理・生理・行動的変数の関係性の分析に用いる多変量解析の選定を行う。
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