2009 Fiscal Year Annual Research Report
身体能力と言語能力に関連した脳内活性の統御メカニズム-社会的認知の観点から-
Project/Area Number |
21500604
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
望月 明人 Teikyo Heisei University, 現代ライフ学部, 准教授 (40167911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 路子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60226587)
桐野 衛二 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90276460)
伊藤 憲治 東京大学, 医学系研究科, 助手 (80010106)
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Keywords | 身体能力 / 言語能力 / 社会的認知 / fMRI / リーディングスパンテスト / 個人・対人 / 運動課題 / 第二言語 |
Research Abstract |
身体能力・言語能力と脳内活性の関係を特に社会的認知の観点から測定した。社会的認知に主要な役割を担う脳のワーキングメモリーに着目し、メモリスパンの定量化を日本語版リーディングスパンテスト(RST)に基づいて開始した。RSTにより、全再生数、正再生率、正答セット数、スパン幅の4指標を求めた。RST指標と他の高次機能の1つである言語機能との関連を調べるため、第二言語としての英語の学習・運用能力を示すTOEIC聴取・読解・合計の各点数と読解速度・語彙数とともに相関・因子分析を実施した。健常大学生30名の解析の結果、RST指標間、TOEIC点数間は強い相関を有し、TOEIC点数と読書速度・語彙数には相関が認められ、RST指標は第二言語能力に対して独立性が示された。脳内活性に関し、二人の運動における活性は一人での運動と比較し、左楔状回(Broadman Area : BA17)、左楔前部、左中後頭回、紡錘回(BA 18)、右上側頭回において優位であった。二人の運動ではより複雑な視覚処理を行いながらコミュニケーションを図っていることが示された。上側頭回は聴覚処理を担う部位であることより、被験者はMRI内で言語的コミュニケーションを仮想していたと考えられた。フォロー運動における活性はリード運動と比較し左島、中および上側頭回において優位であった。島が活性化されたことより、フォロー運動は陰性な感情を伴う可能性が示唆された。英語黙読課題に関し、TOEIC総合点は左舌状回(BA 18)の、TOEICリーディングスコアは右脳梁の、TOEICリスニングスコアは右海馬傍回の、RST rateは右中側頭回、右帯状回後部、左上頭頂回の活性とそれぞれ有意な相関を得られた。日本人の英語読解においては、上記部位の活性が視覚処理、音韻処理、記憶との照合、半球間連絡を効率化していることが示された。
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Research Products
(6 results)