2010 Fiscal Year Annual Research Report
身体能力と言語能力に関連した脳内活性の統御メカニズム-社会的認知の観点から-
Project/Area Number |
21500604
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
望月 明人 帝京平成大学, 地域医療学部, 准教授 (40167911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 路子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60226587)
桐野 衛二 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90276460)
伊藤 憲治 東京電機大学, 情報環境学部, 研究員 (80010106)
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Keywords | 身体能力 / 言語能力 / 社会的認知 / fMRI / リーディングスパンテスト / 個人・対人 / 運動課題 / 音読課題 |
Research Abstract |
身体能力・言語能力と脳内活性の関係を特に社会的認知の観点から測定した。身体能力については、一人での運動・二人での運動を各6種目40秒ずつ実施し、得点とミスの数を集計・分析した。言語能力では、fMRI内での音読時の脳内賦活部位の測定および第二言語としての英語の学習・運用能力を示すTOEIC聴取・読解・合計の各点数と読解速度・語彙数とともに相関・因子分析を実施した。社会認知能力の個人性を調べるため、ワーキングメモリ容量と社会コミュニケーション力を取り上げ、検査を通じて定量化を試み、さらにfMRI内において各セッションの前後に Emotional Intelligence Scale を測定した。健常大学生17名の解析の結果、TOEICと読書速度・語彙数の言語指標グループと同様にRST指標グループ内では相互に強い相関を示したが、社会性3指標グループ内での相関は見られなかった。RST指標は言語グループとは相関が弱く、社会性のEQおよび運動能力の持久力と相関を示した。言語、社会コミュニケーションや運動といった異種能力間の関連や訓練の波及効果を探るには、今後の性差や年齢差を考慮した分析が必要であることが明らかとなった。中前頭回、辺縁葉(Brodmann Area 28)の活性は、AQ下位項目のコミュニケーションスキルに関するスコアと有意に相関した。相手に合わせる二人運動における小脳の活性は、AQの総スコアと相関した。難易レベルの高い英語黙読中の左帯状回、脳梁、右頭頂葉の活性はAQの総スコアおよび下位スコアと負の相関を示した。同課題中の左側頭葉の活性は、SQの総スコアと正の相関を示した。AQやSQによって評価されるコミュニケーション能力が英語の読解能力とも関連を持つことが示唆された。さらに同課題の右中側頭回、左下前頭回の活性は身長や反復横跳びの成績とも正の相関を示した。
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