2010 Fiscal Year Annual Research Report
健康・スポーツ系民間非営利法人の持続的発展をささえる人的支援策に関する研究
Project/Area Number |
21500609
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
水上 博司 日本大学, 文理学部, 教授 (90242924)
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Keywords | 地域社会 / 健康増進 / 医療費抑制効果 / 政策評価 / 政策調整 / 民間非営利組織 / 公共的理由 / 地域スポーツクラブ |
Research Abstract |
本研究課題は、健康政策とスポーツ政策の推進を担う民間組織の持続的発展に求められる人材の支援策を具体的に提言することである。 本年度の研究成果は、三重県いなべ市で実施してきた地域住民の健康増進プログラムの政策評価の一つとして医療費の抑制効果を分析できたことである。いなべ市の社団法人元気クラブいなべが開発した健康増進プログラム(元気づくりシステム)に参加してきた住民(クラブ会員)のレセプト情報と一般市民のレセプト情報を比較し、医療費の抑制効果を検証した。しかしながら、研究成果は医療費の抑制効果だけではない。この研究で取り上げてきた健康増進プログラムが、地方行政体における健康・スポーツ政策の推進において、行政体内部においてどのような公共的理由、つまり政策の根拠として説明されてきたのか、についても詳細を明らかにしたことである。医療費の抑制効果は、健康・スポーツ政策の政策評価として地方行政体の財政縮小につながることを議論できるが、本研究では医療費の抑制効果が行政体内部の政策調整において、どのような公共的理由として議論されてきたのかについて、その過程もあわせて論述することができた。それらの論考は、地方行政体と協働事業を推進しようとする健康・スポーツ系の民間非営利組織が目指すべき人材の専門的知識や政策調整力を具体的に明らかにしていくことができた。また、昨年度からの継続研究として企業社会におけるスポーツをとおして地域貢献を目指した企業運動部を事例的に記述してきた。
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