2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブランデージ時代のオリンピック・ムーブメントの変容に関する研究
Project/Area Number |
21500612
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
來田 享子 Chukyo University, 体育学部, 教授 (40350946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 淳子 国士舘大学, 体育学部, 教授 (70207207)
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Keywords | スポーツ史 / オリンピック / 人権 / 女性 / 人種 / 環境問題 / ブランデージ |
Research Abstract |
【実施した研究の内容】 平成21年度研究計画における研究目的である<分析レベル1>先行研究が明らかにしてこなかった新事実の発見、<分析レベル2>会長およびIOC事会メンバーなどの見解とその変化の分析、に添って、以下の(1)~(4)の作業と分析を実施した。(1)IOC文書史料館におけるIOCの各種会議議事録および公刊された機関誌の収集(8月)、(2)本研究の3つの観点(A.人種、B.女性の参加、C.自然環境保護)から上記(1)の収集史料をデータベース化、(3)データベース化した史料の分析、(4)IOC関係者の書簡等公刊されないレベルの史料の一部の収集と分析。 【研究の結果】 上記の(1)~(3)により、本年度に成果を得ることを計画していた内容として、先行研究における「事実」の確認作業を行うとともに、上記A~Cに関し、IOC各種会議においては、いつ、どのような議論がなされたかを明らかにすることができた。また、作業と分析の(4)のうち、特に本研究にとって重要であると考えられる当時のIOC会長ブランデージの書簡を中心に検討を進め、女性の参加問題に関する史料の一部(ブランデージ・コレクションBox.No.115)の分析を終了した。この分析の結果、女性競技を制限しないよう要請する文書とそれへの回答を含む7組の往復書簡、女性競技に批判的な見解を示した新聞・雑誌の切り抜き記事、女性競技に対するIOC委員の見解を記録したとみられる書類を発見した。これらの史料から、国際女子スポーツ連盟消滅/解散後の女性競技に対する擁護あるいは批判の論点が明らかになった。 【研究成果の意義と重要性】 本研究の3つの観点に関し、IOCにおける議論の経過状況やその内容はこれまで明らかにされていない。女性の参加問題についてのIOCにおける戦後の論点は明確化されてこなかった。これらを明らかにした点に、今年度の成果は意義を有する。
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Research Products
(1 results)