2010 Fiscal Year Annual Research Report
持続的筋力発揮時の筋音信号増大因子を単一運動単位活動電位・筋音波形から検討する
Project/Area Number |
21500627
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森本 茂 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (70119858)
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Keywords | 運動単位 / 筋音 / 放電間隔 / 持続的筋力発揮 |
Research Abstract |
20%MVC以下の持続的筋力発揮時に皮膚表面から導出されるMMG信号の振幅、積分値は漸増傾向にある。この仕組みは、運動単位の活動様式、すなわち、運動単位の同期化活動、活動する運動単位の放電間隔の変化、新しい運動単位の活動参加などに起因することが提唱されている。森本等は単一運動単位のMUAPと筋音信号(MUMS)から直接観察した時、運動単位の同期化活動とMUMS信号の増大に意味ある関係性が見られなかったことを報告している。本報告では運動単位の放電間隔変化とMUMS初期陽性相(MS-V_<positive>)の関係からMMG信号の増大を検討した。 1)短時間の筋力発揮を種々の目標筋力で行った時、MUMS振幅(MS-V_<positive>)は運動単位の放電間隔に比例して増大した。2)持続的一定筋力発揮時、運動単位放電間隔変化は初期に延長その後短縮傾向にあった。運動単位の放電間隔を一定調節した持続的筋力発揮時、MS-V_<positive>は初期一定値、その後漸増する変化動態を呈し、持続的筋力発揮時のMS-V_<positive>の変化動態と類似した傾向にあった。 以上の結果から、短時間の筋力発揮条件下では、Stokes & Cooper(1992),Yoshitake et al.(2002)等の報告と同一の傾向を示し、本来的に随意運動下のMS-V_<positive>はその運動単位の放電間隔に比例関係を持つことが確認された。しかし、持続的一定筋力発揮時、放電間隔一定下持続的筋力発揮時ともにMS-V_<positive>は放電間隔変化に依存した変化動態に無かった。本結果から、持続的筋力発揮時のMMGの変化動態は、運動単位の放電間隔変化に依存しない可能性が示された。
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