2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋線維サイズ変化に対する筋衛星細胞の活性化と神経支配および老化の影響
Project/Area Number |
21500633
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大石 康晴 Kumamoto University, 教育学部, 准教授 (10203704)
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Keywords | 再生筋線維 / 熱ストレス / 衛星細胞 / 速筋型ミオシン重鎖 / 遅筋型ミオシン重鎖 / ヒラメ筋 / Myo D / ラット |
Research Abstract |
本研究は、筋線維の再生初期段階における筋線維サイズの増加と筋線維タイプ分化に対する熱ストレスの影響を検討することを目的とした。 8週齢のWistar系ラットヒラメ筋に塩酸ブピバカインを注入し筋線維を破壊した。ブピバカイン注入2,4,6日後の再生筋線維を分析した結果、再生4日目の筋線維全てにおいて速筋型のミオシン重鎖の発現がみられ、6日目ではその一部の再生筋線維に遅筋タイプのミオシン重鎖の発現を伴った混在型筋線維が認められた。この時、遅筋型ミオシン重鎖のみを発現する再生筋線維は確認できなかった。 熱ストレスを与えたラットヒラメ筋の再生筋線維では、再生6日目において、両タイプのミオシン重鎖を発現する混在型の割合が有意に高く、このことは、再生筋線維のタイプ分化が[速筋型→速筋+遅筋混在型→遅筋型]へと進行する過程において、熱ストレスが再生筋線維のタイプ分化を促進する可能性を示唆している。また、筋線維サイズ(横断面積)の変化については、再生6日目の熱ストレス群再生筋線維のサイズが大きい傾向にあり、このことについてはより詳細な分析が必要と思われる。 さらに、筋線維タイプ分化やサイズの増大に関与すると推察される筋衛星細胞の活性化について、anti-MyoD抗体により分析したところ、熱ストレスを加えたヒラメ筋の再生4,6日目の再牛筋線維においてMyoD陽性筋核数が有意に増加していることが認められた。 以上の知見より、熱ストレスにより筋衛星細胞の活性化が促進されたことに伴い、再生筋線維のタイプ分化やサイズの増加が促進される可能性が示唆された。
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