2010 Fiscal Year Annual Research Report
膝痛・腰痛高齢者に対する要介護予防のための水中運動プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
21500638
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村岡 功 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (80112712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 好男 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00198251)
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (00318817)
柴田 愛 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 次席研究員 (30454119)
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Keywords | 介護予防 / 運動器疾患 / 痛み / 水中運動 / 高齢者 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に膝痛・腰痛を有する地域在住高齢者を対象に実施した3ヶ月間の水中運動プログラムにおける身体機能および健康関連Quality of Life(QOL)に対する効果の持続性について検証を行った。水中運動プログラムへの参加を希望した膝痛・腰痛を有する65歳以上の地域在住高齢女性51名を対象に3か月、週1回、1回60分間の水中運動教室を実施した。プログラムにおける効果の持続性を評価するために、介入前後および介入3ヶ月後に、身体機能の指標としてTimed Up&Goテスト(TUG)、5m最大歩行速度、開眼片足立ち時間、5回椅子立ち上がりテスト(ss-5)、握力を測定した。また、健康関連QOLの指標としてSF-8™(福原ら,2004)を用いて調査した。統計解析には、一元配置反復測定分散分析を用いた。また、効果量(偏η2)を算出した。反復測定分散分析の結果、介入後に改善が認められた身体指標のTUG、5m最大歩行速度、開眼片足立ち時間(左)、ss-5およびSF-8™の体の痛み、全体的健康感、身体的健康サマリースコア(PCS)において介入3ヶ月後まで効果の持続が認められた。効果量については、ss-5、体の痛み、全体的健康感は大(≧0.14)、TUG、開眼片足立ち時間(左)、PCSは中(≧0.06)の値を示した。膝痛・腰痛を有する高齢女性を対象とした3ヶ月間の水中運動プログラムは、プログラム直後に改善した下肢筋力や移動能力、疼痛や主観的健康度を維持させていた。これらの結果から、本研究で採用したプログラムは、介護予防のための運動器疾患対策として安全で有効な手段となり得ることが分かった。今後は、医療費、介護費用への影響を含む長期的効果の検討を行うとともに、プログラム実施における効果的な参加者募集方法、普及活動のあり方を検討する必要がある。
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