2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知的スキルの育成を目指す保健授業モデルの開発と評価
Project/Area Number |
21500646
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 浩之 千葉大学, 教育学部, 教授 (20197172)
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Keywords | 健康教育 / 認知的スキル / 保健学習 |
Research Abstract |
昨年度に認知的スキルに関する検討を対人場面での行動へと進めたことを受けて,今年度は調査対象や対象行動を拡大して検証を行った。具体的には,都市部にある高等学校の2年生男子100人,女子133人,計233人を対象として,自己管理スキル,社会的スキル,セルフエスティーム及び危険行動に関する無記名式調査を行った。危険行動に関しては,「喫煙経験」「飲酒経験」「薬物経験」「自傷行為」「過量服薬」「故意嘔吐」,インターネットのサイトで知り合った人に会いにいく,異性に声をかけられよく知らない人の車に乗るなど,危ない目に遭う可能性が高い行動をとったことがある」という「状況的危険」,「ヘルメットをかぶらずにバイクを運転する,安全を確認せずに自転車で猛スピードをだし交差点を渡るなど,大きなけがや事故を引き起こす可能性が高い行動をとったことがある」という「身体的危険」を調べた。性にかかわる行動は「性交を経験している」(性交経験)「コンドームやピルを使用せずに性交したことがある」(無避妊性交)「知り合って間もない人と性交したことがある」(危険性交)を用いた。危険行動の出現率は,危険行動の種類により,社会的スキルと正の関連を持つものと負の関連を持つものがあった。セルフエスティームはいくつかの行動と負の関連を持っていた。しかし,自己管理スキルは関連を持たず,年齢段階により,その危険行動との関連の仕方は異なることが示唆され,保険授業を開発する際には,その点を考慮する必要があることが明確となった。
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