2011 Fiscal Year Annual Research Report
補気・理気生薬の自律神経調節機能評価と抗ストレス食品・香粧品素材の開発
Project/Area Number |
21500659
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小林 義典 北里大学, 薬学部, 教授 (60367414)
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Keywords | 漢方処方 / 食品 / ストレス / 生理学 / 薬学 |
Research Abstract |
本年度は、当研究室で構築したマウスにおけるストレス誘発性冷え評価系において、生姜・乾姜の活性を評価し、乾姜は生姜に比べて強い冷え改善作用を示すことを見出した。生姜・乾姜は、いずれもカプサイシン同様のTRPV1アゴニスト活性成分を含有するショウガを基原とする生薬で、生薬の調製方法(修治)のみが異なる。伝統的に、乾姜の方が生姜よりも、温める作用が強いと言われてきたが、本系によって、その効果が確認できた。 また、昨年評価した血管内皮弛緩因子であるNO生成阻害作用を有するL-NAME投与に加え、α作動薬フェニレフリンによっても、ストレスを負荷しなくても同様の冷えが誘発されることから、本系ではストレスによる血流循環の悪化が誘発されていることが再確認された。 また、揮散させた香気成分の生理作用に関する研究において、沖縄在来柑橘カーブチー精油をマウスケージ内に揮散させることで、ペントバルビタール睡眠試験における睡眠導入が促進し、睡眠時間が延長することを見出した。この効果は用量依存的であり、ジアゼパムと同様にベンゾジアゼピン受容体遮断薬で阻害された。しかも、ジアゼパム投与では、ロータロッド試験における運動機能の低下が認めらたが、カーブチー精油は運動機能に影響しなかった。なお、精油中の活性成分はγ-テルピネンで、有効濃度は0.003~0.3mg/Lairであった。 ジアゼパムなどベンゾジアゼピン系薬物は鎮静薬、抗不安薬、睡眠薬などとして、汎用されているがその副作用が問題となっている。カーブチー精油は、安全で手軽な代替療法として、期待できる。
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Research Products
(4 results)