2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動回復期の中枢性疲労回復に対する摂取たんぱく質の影響
Project/Area Number |
21500661
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
川野 因 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80277681)
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Keywords | 身体活動 / 疲労 / 自律神経活動 / 心拍変動 / 食事組成 / 自転車エルゴメーター / 男子学生 / 血液性状 |
Research Abstract |
日頃から不活動な生活を過ごしている健康な大学男子学生10名を対象に一過性自転車駆動後の心拍変動、血液生化学値、自覚的疲労感に及ぼす食事の影響を検討した。1週間のウオッシュアウト期間を設けたクロスオーバーデザイン。自転車運動は事前に最大酸素摂取量を測定し、その70%強度で30分間の運動負荷を実施した。運動前に摂取した食事内容は低たんぱく質群(C群、淡水化物エネルギー比69.0%、たんぱく質エネルギー比率6.9%)、または、高たんぱく質群(P群、炭水化物エネルギー比率24.9%、たんぱく質エネルギー比率53.6%)の2種類とし、いずれも200kcalを食品の組み合わせにて調整した。食事は前日の夕飯(800kcal)および実験当日の朝食(500kcal)、さらに、運動前の軽食を提供した。対象者は朝食摂取2時間後に採血、自覚的疲労感、POMSを実施する(実験前値)と共に被検食(200kcal)を摂取した。準備運動後、最大酸素摂取量の70%強度で30分間の自転車運動を実施した(運動負荷直後値)。その30分後、60分、90分まで自覚的疲労感、POMS、採血を実施した。心拍数は朝食摂取前から運動終了90分後まで追跡した。解析は繰り返しのある二元配置分散分析、SPSSを用いて実施し、有意水準は5%とした。結果、血糖値、中性脂肪量遊離脂肪酸濃度は両群間に有意な差が見られず、いずれの食事を摂取しても血液変動に有意な差は見られなかった。心拍数はP群で回復期に有意な低下がみられた。このことから、疲労回復を目的に運動前に軽食を摂取する場合は、高たんぱく質食をとることが高炭水化物食摂取よりも有効であることが明らかになった。
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