2011 Fiscal Year Annual Research Report
児童の食嗜好形成過程に着目した栄養教育介入とその検証
Project/Area Number |
21500666
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
武山 英麿 東海学園大学, 人間健康学部, 准教授 (50347407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 憲秀 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10137119)
榎原 毅 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50405156)
辻 とみ子 名古屋文理大学, 健康生活学部, 教授 (20269666)
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Keywords | 児童 / 嗜好形成 / 栄養教育 / 介入 / 差異抽出法 |
Research Abstract |
本年度は、児童18名を対象に、高感度差異抽出法を用いた嗜好調査を行った。方法は前年度と同様に実施し、印象構造分析の結果を踏まえて、食育介入を行い、その効果を判定した。差異抽出法の結果をもとに、印象構造分析から、野菜の嫌いなイメージの抽出を行った。嫌いな野菜として挙げられた「タケノコ」、「ほうれん草」、「キャベツ」などは「かたい」、「生で食べない」などのイメージが抽出され、予備調査として前年に行った成年女子を対象とした結果と比較すると、対象物の食感や調理形態に由来するイメージが、嫌いな潜在要因として関連していることが示唆された。そこで、これらの結果を考慮した食育介入を、愛知県内の小学校に通う、児童88名を対象に行った。食育の内容は野菜を使ったメニューを自ら作成し、調理する内容で、嫌いな野菜でもおいしく食べられることを実感してもらうことに主眼を置いた内容とした。食育介入前後で、嫌いな野菜のイメージにどのような変化があったかを評価するためアンケート調査を実施した。その結果、野菜に対して、「栄養がある」、「健康によい」といったイメージが介入後に多く見られ、「かたい」、「くさい」、「まずい」といった否定的な印象が減少した。また、嫌いな野菜が出たときに「食べる」、「できるだけ食べる」と回答する割合も食育前に比べて増加した。 今回の一連の研究から、高感度差異抽出法により、児童の野菜嫌いの背景として、野菜のもつ食感と、お浸しや煮物などに代表される調理形態が嗜好を規定していることが明らかとなった。また、このことを考慮した栄養教育プログラムを立案・実施することで、効果的な食育が展開できることが示唆された。
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