2010 Fiscal Year Annual Research Report
心拍のゆらぎ現象から評価した植物芳香成分による月経前症候群の緩和作用
Project/Area Number |
21500669
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
松本 珠希 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (90248047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 敏夫 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (90175638)
林 達也 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 准教授 (00314211)
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Keywords | 月経前症候群 / 自律神経活動 / 心拍変動 / パワースペクトル解析 / 心筋電気的安定性 / 植物芳香成分 |
Research Abstract |
「心とからだ全体をバランスよく癒す」という「Holistic Care」のひとつとしてアロマセラピーが注目され、特に女性の間で人気を博している。植物芳香成分が有する癒しの効果が科学的に解明されつつあるが、女性の心と体にどのような影響を及ぼすのか、とりわけ、「月経前に訪れる心と体の不協和音」と喩えられる「月経前症候群(PMS)」の軽減に役立つのか否かについては詳細に検討されていない。平成22年度の研究では、前年度に引き続き、嗅覚系を介する植物芳香刺激がPMSの改善をもたらすのか、その背景には生命神経系と称され、心身相関の指標ともなる自律神経機能の改善が存在するのかを検討することを目的とした。芳香成分に関しては、フローラル系芳香精油の代表格でもあるラベンダーに加え、「癒しの和精油」として注目を浴びつつある柑橘系の精油「柚子」を用いた。研究は、現在も進行中であり、正常月経周期を有する女性50名(目標症例数)を対象に、卵胞期及び黄体後期において、両精油による芳香浴前後の心拍ゆらぎ現象(心拍変動)、心筋電気的安定性、唾液中クロモグラニンA濃度を測定することにより、神経生理学的観点から両精油のPMS緩和作用を比較検討している。PMSは生物学的・心理学的・社会的要因が複雑に絡みあって発症する多因子性症候群であることから、各種質問紙により、芳香浴による心理的効果、女性を取り巻く社会環境、その女性の性格特性についても調査している。これらのデータを基に、症状の種類・強度・発症頻度、症状を形成する生物学的・心理学的・社会的要因の比重など本研究対象者のPMS症状の特徴を詳細に把握するとともに、香りの感受性(強度・好み・快適性・親しみ感)等、各種芳香に対する有効性と抵抗性も観察しながら、心理神経内分泌動態の観点から、植物芳香成分が有する心身の癒し効果と自然治癒力を多角的に探求したいと考える。
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[Presentation] PMS/PMDD and autonomic function.2010
Author(s)
Tamaki Matsumoto
Organizer
The 16th International Congress of the International Society of Psychosomatic Obstetrics and Gynecology
Place of Presentation
Scuola Grande S.Giovanni Evangelista, Venezia, Italy(Invited Lecture)
Year and Date
2010-10-29
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