2011 Fiscal Year Annual Research Report
禁煙が注意集中パフォーマンスに及ぼす生理心理的効果の検討
Project/Area Number |
21500671
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
東山 明子 畿央大学, 健康科学部, 教授 (20228711)
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Keywords | 禁煙 / 心理 / 気分 / 注意集中 / 積極性評価 / 脳活動 |
Research Abstract |
喫煙者と非喫煙者の心理面の違いについて,喫煙しやすい環境にある大学生の場合と日中喫煙しにくい環境にあり日中の喫煙が制限される大学生の場合について検討した.喫煙しやすい環境にある大学生の場合には気分評価や積極性や集中力について検討し,日中の喫煙が制限される大学生については自己効力感や不安や気分や積極性について検討した.その結果,喫煙者は非喫煙者に比べて自己効力感が低く,特性不安が高く,気分評価では「緊張・不安」が強く,積極性に乏しいことが明らかとなった.喫煙者が非喫煙者に比べて心理面がネガティブであることがわかり,日中の喫煙が制限される喫煙者においても自己否定的でネガティブな感情を有しやすいことが示唆された. また、心理的相違をさらに詳細に明らかにするために,嗅覚に対する反応を指標として,喫煙者と非喫煙者にアロマのある環境とない環壌で2時間を過ごし,気分や集中力や作業の違いを検討した.その結果,状態不安や気分には喫煙習慣によるネガティブな影響の可能性が示唆された.気分評価や積極性評価尺度ではアロマによる改善向上効果が伺えた。集中力や計算作業では,喫煙者でアロマによる練習効果があらわれるとともに誤答減少がみられ,覚醒水準向上効果が示唆された.すなわち,喫煙者は一時的断煙状態では,気分の落ち込みや注意や集中力の低下がみられるが,それら禁煙によるネガティブな症状の顕在がアロマによって抑制され,非喫煙者と同じ状態に近付くことが示唆された.これらは,喫煙者と非喫煙者の心理面の違いを実証した貴重な研究である. さらに,機能的近赤外線分光装置を用いて喫煙者と非喫煙者の注意集中課題遂行時の脳活動の違いを検討した.喫煙者は断煙時と喫煙食後で前頭野の働きに違いのあることが示唆された.
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Research Products
(9 results)