2009 Fiscal Year Annual Research Report
光学的視覚刺激装置の開発と調節緊張緩和と近視の予防に関する研究
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21500674
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
岩崎 常人 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (90160100)
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Keywords | 近視 / 調節 / 輻湊 / 開散 / 光学的刺激 |
Research Abstract |
本研究は、調節を弛緩させる刺激である遠方刺激と、輻湊・開散からの刺激の両者を合わせ持つ光学的方法で、調節緊張を能動的に緩解させる装置を開発する。次にこの装置を用いて、近方視で生じている調節順応状態やNITM(near work induced myopia)による毛様体筋の緊張を回復させる事を実験的に証明する。さらに、この装置を用いて、近視の予防への有用性の有無を検討する。最後にそれらの結果から、近視の発症と調節との関係を考察するものである。 本年度は、調節と輻湊・開散への光学的刺激法が内蔵された装置を試作した。装置は、他覚的屈折度計と視標呈示システムから構成される。システム内の視標は、被験者の両眼の屈折度より求めた見かけの遠点の位置を出発点として、ある一定度数(D)遠視側に0.25D/sの速度で移動する。同時に両視標は、+0.5Dの距離に相当する解剖学的眼位方向に離反移動し、融像下に開散運動が誘導される。視標はその位置で一定時間停止した後、見かけの遠点に対して一定度数(D)近視側の位置まで、距離に相応した輻湊を随伴させながら移動し一定時間停止する。再び同様に前述の見かけの遠点からある一定度数(D)の遠方位置まで移動する。この繰り返される正弦波様の視標移動を一定時間作動させる。この間、片眼の屈折度が測定され、見かけの遠点が偏位した場合には、両視標をその偏位分に応じた位置に移動させ、屈折度の変化に応じてフィードバックをかける。 以上の視標移動の方法によって調節への遠方刺激と、輻湊・開散への刺激を誘起させる装置の試作機が完成した。
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Research Products
(1 results)