2011 Fiscal Year Annual Research Report
光学的視覚刺激装置の開発と調節緊張緩和と近視の予防に関する研究
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21500674
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
岩崎 常人 産業医科大学, 医学部, 講師 (90160100)
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Keywords | 調節 / 輻湊 / 開散 / 一過性近視 / 光学的視覚刺激 / 視覚負荷 |
Research Abstract |
最終年度である本年度は、試作した焦点調節緊張を緩和するための光学的視覚刺激装置のさらなる精度上の改良を行い、装置の効果について臨床的に検討した。同時に、装置の小型コンパクト化を行った。 1.装置の改良と小型コンパクト化:昨年度までに試作した装置は、2つの刺激方法を有している。1つは、装置内の風景画像を被験者の遠点近傍で水平方向に移動させる輻湊及び解剖学的安静位方向への開散刺激であり、2つ目は、遠点近傍で風景画像を遠近移動させる調節刺激であった。そのために他覚的屈折計とコンピュータの制御部が必要となり、重量が約30Kgになった。そこで、本年度では、装置の小型軽量化を図った。その結果、外形が約10cm×10cm×4cmの望遠鏡タイプの装置に改良できた。 2.装置の効果に対する検証:裸眼視力の低下を主訴として来院した小学生から高校生に対して、試作した装置が視力への改善効果を示すか否かを検討した。その結果、平均視力は、装置施行前が、右=0.57(1.30 x S -0.65 D)、左=0.60(1.28 x S -0.58 D)であり、施行後は、右=0.78(1.31 x S -0.49 D)、左=0.82(1.27 x S -0.37 D)となった。両裸眼視力は有意に上昇し、矯正レンズ度数は有意に遠視化した。矯正視力値に有意差はなかった。この結果から、試作した装置は、調節緊張に原因すると考えられる遠見裸眼視力の低下に対して改善効果のあることが分かった。
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Research Products
(3 results)