2009 Fiscal Year Annual Research Report
血液凝固線溶系を指標とした幼児期からのメタボリックシンドームの予防に関する研究
Project/Area Number |
21500680
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀米 仁志 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50241823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨田 知博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50224704)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 血液凝固線溶系 / アデイポカイン |
Research Abstract |
【目的】幼児期の前段階として学童期におけるメタボリックシンドローム(MetS)関連指標の標準値を作成した。【方法と対象】本人および保護者の同意が得られた茨城県J市の小学4年生の健常児148名(男児71:女児77名)を対象とし、身長・体重・腹囲・血圧、血液生化学指標、アディポカイン、血液凝固線溶系指標の測定を行った。血液凝固線溶系指標は日内変動があるため、朝方の空腹時採血を徹底し、すべて9:00~10:30に採血を行った。【結果】全対象における平均±標準偏差は身長135.5±6cm、体重33.5±7.9kg、BMI18.1±3.3kg/m2、収縮期血圧104.8±10.1mmHg、拡張期血圧55.6±6.8mmHg、腹囲62.8±9.5cm、TC180±27.1mg/dL、HDLC64.8±13.1mg/dL、LDLC106.5±27.1mg/dL、ALT17.9±18.9IU/L、Glu93.9±6.3mg/dL、TG66.8±41mg/dL、UA4.44±0.9mg/dl、凝固第VII因子93.6±11.7%、凝固第VIII因子82.5±34.6%、第X因子93.4±11.9%、第XI因子92.6±14.9%、プロトロンビンフラグメントF1+2351.6±988.3、FBG236.9±47.4mg/dL、total PAI-126.7±16.5ng/mL、レプチン6.04±5.64ng/mL、インスリン7.81±6.46μIU/mL、プロテインC94.6±17%、プロテインS94.7±14%、高感度CRP779.21±76.8ng/mLであった。小児期MetSの診断基準案(2007年最終案)を満たしたのは2例のみであった。BMI90パーセンタイル以上群(n=14)と未満群(n=134)の間で各指標を比較検討し、有意差があったのは、拡張期血圧、HDLC、ALT、Glu、TG、UA、凝固第VII因子、凝固第X因子、FBG、total PAI-1、レプチン、Protein C、高感度CRPであった。【結論】本研究で得られたデータは小児期MetSの診断基準の確立に役立つことが期待される。学童期肥満においても、インスリン抵抗性のみならず血液凝固線溶系にも変化を来たしていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)