2010 Fiscal Year Annual Research Report
血液凝固線溶系を指標とした幼児期からのメタボリックシンドームの予防に関する研究
Project/Area Number |
21500680
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀米 仁志 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50241823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨田 知博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50224704)
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Keywords | 血液凝固線溶系 / 血管内皮機能 / 小児 / 肥満 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
[目的]血清中の可溶性トロンボモジュリン(sTM)と脂肪細胞から分泌されるレプチンは内皮機能障害の指標であり、成人では独立した心血管系危険因子と考えられている。しかし、小児ではその意義や標準値は確立されていない。そこで小中学生を対象として、sTM・レプチンと肥満・メタボリックシンドローム関連指標との相関を検討した。[対象と方法]保護者の同意が得られた茨城県J市に通う健康な小中学生、合計1,018名(小学4年:男315名、女266名、中学1年:男211名、女226名)を対象とした。検査項目は1)身長、体重、腹囲、2)血液学的指標:HDL-C、TC、ALT、尿酸、フィブリノーゲン(Fbg)、sTM、レプチンとした。データはいずれも平均±標準偏差で示し、指標間の相関を検討した。[結果]BMIは小4男:18.6±3.8、小4女:17.2±2.8、中1男:19.3±3.6、中1女:19.5±3.2kg/m2、腹囲は小4男:63.7±10.8、小4女:59.6±7.4、中1男:67.5±10.3、中1女:66.1±7.6cmであった。レプチン(小4男:4.2±4.0、小4女:3.9±3.0、中1男:2.4±2.8、中1女:6.1±8.0ng/ml)は小中学生、性別を問わずBMI/腹囲および尿酸、Fbgと強い正の相関(いずれもp<0.01)を示し、HDL-Cと負の相関を示した。sTM(小4男:3.1±0.6、小4女:2.9±0.5、中1男:3.2±0.6、中1女:2.5±0.5FU/ml)は中学生(特に女児)でBMI/腹囲およびレプチンと有意な負の相関を示した。[結語]レプチンは学童期から肥満と強く相関した。sTM低値は肥満、心血管系リスクに関連することが示唆されたが、成人でも議論のある指標であり、今後、他の内皮機能指標やアディポカインとも組合せた判定基準の検討が必要である。
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Research Products
(4 results)