2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成運動ではなく骨吸収抑制運動の同定とその機序解明
Project/Area Number |
21500681
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北村 敬一郎 金沢大学, 保健学系, 准教授 (80283117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 一朗 富山大学, 生命科学先端研究センター, 助教 (00397176)
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Keywords | マウス / 頭蓋骨 / 器官培養 / バイブレーション / 加速度 / 骨代謝 |
Research Abstract |
[研究目的](1)昨年度開発したヒトの骨に代わるマウス新生仔の頭蓋骨器官培養系を用い、低強度(0.5G,2G)バイブレーションによる低強度加速度刺激に対する骨吸収ならびに骨形成細胞特異的マーカー酵素活性及びDNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現の発現変化から、骨代謝が骨形成促進に動いているのか、骨吸収抑制に動いているのかを明らかにする。(2)昨年度開発したヒト運動時加速度記録システムを用い、健常ボランティアに対し、平地歩行、階段昇降および縄跳びによる垂直跳躍などの基本的な運動負荷を行う。そして、運動時にかかる脛骨遠位部、大腿骨遠位部、および第5腰椎などの荷重負荷骨への負荷加速度を計測し、荷重負荷骨への最適運動同定のための基礎データを集める。 [研究成果](1)骨吸収(破骨)および骨形成(骨芽)細胞特異的マーカー酵素活性による機械的刺激の骨代謝への影響:破骨細胞活性は、刺激後6hで0.5G刺激では6個体中4個体で低下し、26刺激では6個体中5個体が低下した。一方、骨芽細胞活性は、刺激後24hで0.5G刺激では6個体中4個体で増加し、20刺激では6個体中個体が増加した。遺伝子発現への影響:DNAマイクロアレイで得られた網羅的な遺伝子発現データのネットワーク解析の結果、骨代謝系の遺伝子発現への影響が見られ、中でも20刺激後6時間でα1コラーゲンの発現が10倍に上昇することを見いだした。したがって、特異的マーカー酵素活性および遺伝子発現結果から、低強度2G加速度刺激は骨形成促進効果と同時に骨吸収抑制効果も持つことが示された。(2)21名の健常ボランティアを対象として、平地歩行、階段昇降、および縄跳びによる垂直跳躍などの基本的な運動負荷を実施し、ヒト運動時の過重負荷骨への加速度データを記録し、現在解析中である。
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