2010 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚ガス一酸化窒素から得られる生体情報について-加齢、生活習慣病との関係から-
Project/Area Number |
21500683
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 宏 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (10203168)
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Keywords | 一酸化窒素 / 皮膚ガス / 筋損傷 / DNA / 8-hydroxydeoxyguanosine |
Research Abstract |
平成22年度は、皮膚から放出される一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)濃度と筋損傷運動前後の血中亜硝酸イオンとの関係を確かめようとした。被験者は、少なくとも6ヶ月以内に大腿四頭筋の筋損傷を伴う運動を行っていない健康な男子大学生7人(22.1±0.3歳;平均±標準誤差)とした。被験者は、大腿四頭筋の伸張性収縮を伴う膝伸展、屈曲運動を15 repetition maximum(RM)、8セット行い、運動前、運動終了1、2、3、7日後に大腿直筋の筋腹皮膚表面上から皮膚ガスを採集し、オゾン化学発光法によってNO濃度を測定した。同様に安静時の血液を正中皮下静脈から採取し、血漿亜硝酸イオン濃度を測定した。 また、大腿四頭筋の伸展における筋力(1RM)、大腿周径囲、大腿直筋の筋腹における筋痛指標(visual analog scale:VAS)ついて測定した。 皮膚ガス中NO濃度と血中亜硝酸イオン濃度は、両者とも運動終了2日後に有意(p<0.01)に上昇し、7日後には回復傾向が認められ、皮膚ガスNO濃度と血中亜硝酸イオン濃度は有意(p<0.05)な相関関係が認められた(p<0.05)。大腿周径囲は運動前後で有意な変化が認められなかったが、筋力は運動終了1日から3日後まで有意(p<0.05)に低下、一方、VASは有意(p<0.05)に増大したが、筋力、VASともに7日後には運動前の値に回復する傾向が認められた。以上、本研究で見られた筋損傷に伴う皮膚ガス中NO濃度の増大は、血中亜硝酸イオン濃度と密接に関わることが示唆された。
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