2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動による内臓脂肪減少に伴う血中アディポサイトカインの変化の意義に関する検討
Project/Area Number |
21500688
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
川合 ゆかり Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 助教(寄附講座) (80530253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高波 嘉一 京都府立医科大学, 医学部, 准教授(寄附講座) (40206777)
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Keywords | 運動 / 身体活動 / 内臓脂肪 / アディポサイトカイン / 動脈硬化 |
Research Abstract |
平成21年度は以下3点について基礎検討を実施した. 1) 内臓脂肪を効果的に減少させる運動プログラムの構築:体脂肪を減少させるのに効果の高い運動として,レジスタンス運動後に有酸素運動を行うことによって運動後の脂肪消費量がより高まる可能性が報告されていることから,これに基づいた基本運動プログラムを作成し,実施期間は16週間とした. フィットネスクラブおける基本運動プログラム:以下の運動プログラムを週に2回以上行うことを指導した. レジスタンス運動:大筋群を中心に各筋群を均等に刺激する基本10種目を1RMの60-70%の負荷にて各種目15回反復を1-2セット実施. 有酸素運動:自転車エルゴメータあるいはトレッドミルを用い,事前の運動負荷試験により求めた嫌気性代謝閾値(AT)時の心拍数を処方強度として30-60分実施. 2) 日常生活における身体活動量の増加を促す指導法に関する検討:運動プログラムに加えて,日常の活動量増加を促しそれを継続させる指導法について検討するために,被験者に身体活動計(アクティマーカー:松下電工)装着させ活動量を客観的に把握させるためのデータを得た. 3) 少数例での予備実験の実施:1) 2)で構築したプログラムが内臓脂肪を減少させるために有効かどうかを確認するために,実際に内臓脂肪型肥満を呈する男性12名を対象にして実際のプログラムを用いて基礎検討を実施した. 結果:16週間に及ぶ運動プログラム実施の結果,体重平均6.1kg,体脂肪率平均4.3%とともに有意な減少,腹囲も平均8.2cm,内臓脂肪面積も平均32.7cm2とともに有意な減少を認めた.さらに総アディポネクチン量も15%の有意な増加を示し,さらに内臓脂肪面積の低下した対象者ほどアディポネクチン量が増加するという負の相関も確認された(y=-0.016x-0.09 r=0.516).この少数例の検討ながら,本プロトコールにより運動の効果を判定する際のアディポサイトカイン測定の意義について明らかになる可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)