2010 Fiscal Year Annual Research Report
コエンザイムQ10結合タンパク質サポシンBを介した脂質の腸管吸収機構の解明
Project/Area Number |
21500698
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
加柴 美里 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (80338186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 順寛 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (60134475)
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Keywords | 老化 / 脂質 / 食品 / 蛋白質 / 抗酸化物質 |
Research Abstract |
食事、サプリメント中のコエンザイムQ10は小腸で吸収されるが、その吸収機構は不明である。我々は、糖タンパク質サポシンBがコエンザイムQ10と複合体を形成し、脂溶性のコエンザイムQ10を可溶化することを見出した。更にサポシンBが腸管に存在すること、その存在が管腔側に局在していることを見出している(未発表データ)。 本研究は、コエンザイムQ10の小腸における吸収機構の解明、特にコエンザイムQ10結合蛋白質サポシンBの役割解明を目的とする。 研究初年度(昨年度)に、ヒト結腸癌由来Caco-2細胞の3次元培養手法を確立した。また、遺伝子工学手法を用いてサポシンB高発現Caco-2細胞株およびサポシンBノックダウン株を作製した。 本年度は、樹立したサポシンB高発現Caco-2細胞株とサポシンBノックダウン株の基本的な細胞特性の解析を行った。結果、サポシンBノックダウンCaco-2株では内因性コエンザイムQ10がコントロールCaco-2細胞より低値であること、一方で、サポシンB高発現Caco-2細胞ではその値がコントロール細胞より高いことを見出した。 次年度以降、作製したサポシンB遺伝子改変Caco-2細胞株を3次元培養し、コエンザイムQ10輸送機構の解析を行う。 本検討により、コエンザイムQ10の小腸吸収機構が解明されると、吸収効率に大きな個人差があり、必ずしも吸収効率の優れてはいないコエンザイムQ10を効率よく吸収する手法の確立に寄与することが期待される。
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