2010 Fiscal Year Annual Research Report
尿中バイオマーカーによる糖尿病リスクプロファイリングと運動・栄養指導評価への応用
Project/Area Number |
21500701
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
橋田 誠一 徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (10156268)
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Keywords | 糖尿病 / バイオマーカー / 尿 / 免疫測定法 / アセスメント / 運動・栄養指導 / リスク評価 |
Research Abstract |
前糖尿病者の発症を防ぎ、糖尿病予備軍を増加させないことが急務である。そのためには予備軍を早期に検出し、現状を認識させ、適切な運動・栄養指導により、生活を変容させ、発症を防ぐことが重要である。しかし、糖尿病の診断には採血や来院の必要があり、これらのことが検診率に影響し、予備軍の早期検出の障害となっていた。 本研究は、家庭での採取が容易な尿を用いた新しい検査法(糖尿病リスク・プロファイリング法)を導入し、まず、1)糖尿病予備軍の積極的な検診への参加を促し、現状のリスクを認識させること、さらに2)運動・栄養指導により意識と行動の変容を促し、その効果を新しい検査法により評価し、指導にフィードバックさせること、そして3)生活の変容を定着させ、糖尿病の発症を予防することを目的とした。 22年度は、21年度に引き続き、尿中アディポネクチン(AN)による糖尿病性腎症の早期診断法の開発を行った。その結果、1)尿中には血中と同じ高分子ANが存在していること、2)糖尿病患者では、血中濃度は健常者より低値を示していたにも係わらず、尿中濃度は有意に高値を示した。3)非糖尿病者でかつ微量蛋白尿出現以前であっても、eGFRが低値を示す場合は、尿中ANは有意に高値を示した。また、尿中ANは尿中アルブミンと有意に強く相関しており、これまで報告して来たレプチン、インスリン、遊離インスリン受容体、レジスチンなどとは異なる関係を示していた。これらの結果から、尿中ANの糖尿病性腎症の早期診断指標としての可能性は強く指示された。
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Research Products
(5 results)