2009 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の児童・生徒の生活目標達成要因認知に関する研究
Project/Area Number |
21500711
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
浅井 玲子 University of the Ryukyus, 教育学部, 准教授 (10325821)
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Keywords | 生活目標 / 目標達成要因認知 / 沖縄 / 児童・生徒 |
Research Abstract |
21年度は、目標達成要因認知尺度の生活への応用について検討した。沖縄県は島嶼県であり、離島・へき地校が全体の4割を越えている。そこで、生徒数が少なく、教師との関係性も非常に密接な地域として、沖縄の最西端で、台湾との国境の島である与那国町立久部良小・中学校の先生方や生徒にほぼ半年の期間をおいて2度アンケートをお願いし、資料を収集した。 「私は,自分の将来の仕事を思い浮かべることができる」「私は将来のために、今勉強することは大切だと思う」「私は、まだできない難しい問題にも挑戦してみたいと思う」「私は、将来の職業や進路を、どのように考えて決めてよいのかわからない」「私が何か失敗しても両親や先生は温かく見守ってくれると思う」「私には、目標とする先輩が近くにいて、近づけるように努力している」「私は頑張っている仲間を見ると、自分も頑張ろうと思う」の7項目について7段階で尋ねた。その結果をレーダーチャートにして示し、変化の大きかった児童・生徒にはその理由を聞き取った。 以下のことが明らかになった。 1, 小学生の場合、教師と児童は同じ様な線を描くが、全体的に児童の方が自己評価が高い。 2, 小学生の場合、変化の大きかった児童に理由を尋ねると「○○先生にそう言われたから」「親の転勤で島を出ていくので、頑張ろうと思う」などの外的理由要素が多かった。 3, 中学生の場合、1回目調査の教師と生徒は逆転する項目があった。生徒に比較すると教師は、「生徒には目標とする先輩がいて、近づけるように努力している」と思う傾向が高かった。 4, 中学生の場合、変化の大きかった生徒にその理由を尋ねたところ「頑張っている仲間」や「目標とする先輩」の存在が影響していた。つまり、同年代の環境的人的要素の影響が大きかった。 これらのことから、質問紙作成においては、小・中学校の発達段階に留意する事、教師と児童・生徒(特に中学校)は認識が異なる事を考慮し、計画段階では視野に入れなかった「教師が認知している生徒の生活目標達成要因認知」も視野に入れながら質問紙を完成させる予定である。
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