2010 Fiscal Year Annual Research Report
家族経営協定締結事例にみる親世代・子世代の共同と分離
Project/Area Number |
21500713
|
Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
大友 由紀子 十文字学園女子大学, 社会情報学部, 准教授 (00286121)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 マサエ 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (50105970)
|
Keywords | 家族経営協定 / 世代間関係 / 夫婦家族制 / 直系家族制 / 世代継承 / フォーカスグループ・インタビュー |
Research Abstract |
本研究では、家族経営協定を締結している農家世帯を対象とした事例調査を通じて、夫婦家族制のもとでの親世代・子世代の共同と分離について実証的に考察する。 平成15年度から家族経営協定の普及推進体制が大きく変わり、地域農業改良普及センターでは管内の家族経営協定締結事例を十分に把握できなくなった。そこで、平成7年度から始まった家族経営協定普及推進の比較的早い時期に協定を締結したモデル世帯・モデル地域について、フォローアップ調査を実施するという方法を取った。 まず、全員が平成13年までに協定を締結した水沢地方農業担い手女性塾のメンバーを対象に、平成22年2月に実施したフォーカスグループ・インタビュー(参加者9名)と個別インタビュー(6事例)について、インタビューの録音を文字に起こし、テキスト分析に必要な質的データを整理した。 ついで、昭和41年から家族協定農業を普及推進している群馬県高崎市にて、協定農家の組織である高崎市家族協定研究協議会の婦人部の協力を得て、平成23年2月にフォーカスグループ・インタビュー(参加者13名)を実施した。ここでは、夫婦家族制にもとづく欧州の家族経営農業と女性農業者に関する調査研究の成果を資料として提示し、それをもとに自らの生活課題について世代関係を中心に語り合ってもらった。 なお、欧州での比較研究は、平成22年11・12月にデンマーク・オーデンセ市(2事例)とフランス・ボーヌ市(5事例)にて、平成23年1月にオーストリア・ウィーン市(5事例)にて現地調査を実施し、平成23年1月ベルン大学にて、スイスの農家女性のキャリア形成に関する事例調査の分析結果を報告した。 わが国では長寿化によって、親世代と子世代とが共存する期間が長期化し、世代交代のタイミングが遅れる傾向にある。引退後の親世代の自立と生きがい、子世代の早期の独立を考えるための質的データを収集・整理した。
|