2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活支援職における異文化コミュニケーション教育研修プログラムの開発
Project/Area Number |
21500722
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Research Institution | 高知県立大学 |
Principal Investigator |
後藤 由美子 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (90411735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 久子 大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (50411723)
カルロス マリア・レイナルース 龍谷大学, 国際文化学部, 准教授 (90335414)
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Keywords | 異文化コミュニケーション / 外国人介護士 / 人材育成 / 生活支援 |
Research Abstract |
わが国の介護現場において介護従事者の需要に対して介護職の定着状況は芳しくない。介護職員の処遇改善等の支援も行われているが、人材の確保・定着のための十分な賃金とは言えず、「やりがいのある仕事」を就労理由としながらも労働環境に対する不満も大きい。このような状況下で、外国人が介護職として日本人介護士と共に介護サービスを提供している。本研究では、在日外国人介護者及びEPAに基づく介護福祉士候補者からの聞き取り調査、在日フィリピン人介護士のワークショップを行い、介護職としての現状、異文化によって起こる問題を整理した。研究の実施状況は次のとおりである。 1.EPAに基づく候補者の調査では、インドネシア人は全員が看護師課程修了者、フィリピン人はTESDA研修の修了者ではあるが、大学における専門課程は多様で就労上、教育背景が大きく影響していることが分かった。フィリピン人には、受入れ側が日本語教育のほか介護福祉教育を担当し、国家試験合格に向けた教育が行われていた。両国の候補者と受け入れ側の双方が国試に合格し、就労する・就労してもらうというモチベーションを維持継続していくことは容易なことではなく、介護職3年という実務経験の過程で帰国をする人や国試合格を諦める状況も発生していた。2.在日外国人の定住者介護士の場合は、就労上の課題と共に自身の生活課題が多かった。長期間就労が可能でプライドの持てる職業として介護職をとらえており、向学心がある。3.日本語能力の習得、介護福祉教育、異文化(返事、あいづち、ニュアンス等)、地域関連、組織等の教育研修。4.第1期生として来日したインドネシア人、フィリピン人の介護福祉士候補者及び受け入れ施設の意識調査結果と定住外国人介護士に関する調査結果の報告書を作成した。
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