2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化社会に向けての消臭機能を持つオムツ素材の開発
Project/Area Number |
21500727
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
仲西 正 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (90198143)
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Keywords | オムツ / 高分子ゲル / 膨潤挙動 |
Research Abstract |
オムツ素材モデルとして,ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレンオキシド(PEO)からなるゲルをまず調製した.ゲルの調製については,高分子水溶液にγ線を照射して化学的に架橋する方法を用いた.ゲルの吸水挙動の評価には,塩濃度などの変化に対して出来るだけ速やかにゲルが膨潤平衡に達するように,ゲルの形態は細長い円柱状にして,溶液に浸せきしたままゲルの直径を測定し膨潤度を決定する方法を用いた.この測定には,既設の倒立型顕微鏡と本年度拝受した科学研究費補助金により設置した顕微鏡用デジタルカメラを用いた.顕微鏡用デジタルカメラを使用することにより,ゲル膨潤挙動の時間変化を追跡することが容易であった.吸水させる溶液としては,尿モデルとして,pHを調整したアルカリ金属塩,ヒドロキシ酸,アミノ酸水溶液など用い,ゲル調製条件と得られたゲルの性質との基本的な関係をまず捉えることを行った.塩化ナトリウムなどの単純な塩では,PVAおよびPEOゲルどちらにおいても,塩濃度が高くなるにつれ膨潤度は低下した.またpH依存はほとんど見られなかった.一方,ヒドロキシ酸溶液中では,PVAとPEOゲルにおいて膨潤挙動に違いがあるとともに,特に乳酸溶液中では酸性側とアルカリ性側に地べ中性付近で膨潤度が低下した.ヒドロキシ酸の電離状態とヒドロキシ酸の水酸基を通しての高分子との相互作用が関係しているものと考えられた.
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