2010 Fiscal Year Annual Research Report
英国・ヘレンズバラの保全地区における歴史的建造物の保存と現代生活への活用手法
Project/Area Number |
21500729
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山岸 明浩 信州大学, 教育学部, 教授 (80230340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 文子 信州大学, 教育学部, 准教授 (10377616)
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Keywords | 住環境 / 文化遺産 / サスティナブル |
Research Abstract |
本研究は,建造物の保存活用の観点から歴史的価値の保存・維持管理とともに現代生活における活用という性格の異なる要素の調和的な手法のあり方について着目し検討することを目的としている。本研究では調査対象地域を英国のスコットランドの都市ヘレンズバラとし,保全地区内における歴史的建造物の現代生活への利用手法について考究するものである。 平成22年度においては,平成21年度に抽出したヘレンズバラにおける歴史的建造物の分布に基づいて,平成21年度に引き続き抽出を行った歴史的建造物のマッピングの作業を実施した。具体的には,抽出された建造物のリストとヘレンズバラの地図との照合を現地にて実施し,建築物の現状をデジタル画像として保存するとともに,増築・改修の状況について調査した。その結果,リスティングされている歴史的建造物の多くは現在も生活上利用されているが,一部の建物においては増築・改修がされているケースが見受けられた。また,対象建造物ではないが保存地区内の建物の一部において火災や取り壊しなどにより建造物が消失している箇所があり,歴史的建造物保存地域の住環境の悪化が懸念される状況が認められた。一方,同時に文献収集を実施し,保全地区内に現存する歴史的建造物の中に多く存在する英国の代表的な建築家W. Leiperの作品に関する資料の収集を行った。さらに,スコットランドと日本における歴史的建造物の保存活用制度について比較を行い,今後の日本における歴史的建造物の保存活用のあり方に関する検討を行った。
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