2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500740
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
谷井 淑子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (10095929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪又 美栄子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (50184784)
小原 奈津子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (90178301)
下村 久美子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (80162816)
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Keywords | 衣生活 / ベトナム / 農村 / 伝統衣服 / 日常着 / 繊維材料 / 着装 / 染色 |
Research Abstract |
本研究は、伝統的な生活様式を今に残すベトナム北部の農村集落であるドゥオンラム村の衣生活調査を中心として、ベトナム中部、南部の農村集落についても調査研究を行い、ベトナム北部農村の伝統衣服の基本様式を明らかにするとともに、現存する伝統衣服の資料的価値を明確にし、農村集落保存プロジェクトにおける衣生活部門の早急な記録作成と保存を推し進めることを目的とする。 今年度の実施計画に沿って、ドゥオンラム村を中心に、ベトナム中部の農村集落であるフォックティック村およびベトナム南部のフーホイ村、カイベー村での調査を実施した。昨年度と同様、高齢者を対象として聞き取りを行なうと共に、次世代についても調査対象に加え、それぞれの世代で着用する衣服の種類や名称、着用目的など、各世代による着用衣服の相違や各々の衣服の着用年代の聞き取りを行い、基礎資料を収集した。これらの調査結果から、伝統的衣装である、アオ・ナム・タン、アオ・トゥ・タン等の長衣や防寒用のアオ・ボン、被り物はベトナム北部農村の特徴的な衣服であることが確認できた。中部や南部の伝統的な日常着はアオ・ババであり、袖付けの種類(裁ち出し袖、セットインスリーブ、ラグラン袖など)、身頃の切り替え方法など、特にフーホイ、カイベーなどの南部農村での形態が多様であった。南部の農村においても70歳代以上の高齢女性は伝統的な衣服を着用しているが、中・若年層は伝統的な衣服を日常的にはほとんど着用していないことが確認できた。染色については、北部・中部で染色に使用されていたクーナウは、南部では使用されておらず、南部では身近な植物など染色材料の種類が多く、染色方法にも違いが認められた。これらの調査結果の一部については、日本家政学会、日本繊維製品消費科学会の年次大会においてポスター発表をおこなうとともに、報告書、紀要にて報告した。
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Research Products
(5 results)