2011 Fiscal Year Annual Research Report
下肢障害のある人の住宅選択・確保の過程から分析した住宅支援施策の課題
Project/Area Number |
21500741
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
小板橋 恵美子 淑徳大学, 看護学部・看護学科, 講師 (20512487)
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Keywords | 障害のある人 / 生活 / 住宅 / 住宅支援施策 |
Research Abstract |
本年度は22年度の震災により延期した調査の実施、および昨年度実施した調査の分析および成果発表を計画していた。 前者については、平成23年11月に下肢障害のある人1名のヒアリング調査とその居住自治体での資料収集を行い、新たなデータを加えることができた。 そして、昨年度実施した調査の分析の結果からは、下肢障害のある人の住宅確保における住宅の選定に当たっては、障害などの身体状況以上に受障以前の住宅や生活スタイルによる影響を受けていることが明らかになった。また、調査対象者が居住する自治体における障害者支援、住宅支援に関する資料の整理を進め、調査対象者の住宅確保の過程とともにその推移を把握した。その結果、調査対象者自身の状況、また受障当時の社会背景も異なっているものの、住宅確保の過程においては公的支援を受けず、その住宅確保は自助努力によっていること、したがって、施策における個人の住宅の位置づけについて検討する必要があることも見いだされた。以上から、特に障害のある人の住宅確保と社会的環境や経済状況との関連を裏付ける上で、障害のある人の側から把握した資料が得られたことは大きな成果である。 なお、所属機関の移動に伴う環壕の変化などに適切に対応できず、当初予定していた成果発表が十分に行えなかったことを反省するとともに、研究年度の終了後にも引き続き成果発表を行っていく予定である(平成24年5月に2件の成果発表を予定)。
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