2010 Fiscal Year Annual Research Report
インジゴ染料染色物の染色条件・放置条件による色彩変化
Project/Area Number |
21500745
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
牛田 智 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40176657)
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Keywords | インジゴ / 藍 / 建て染め / 色彩変化 / 光退色 |
Research Abstract |
藍の染料であるインジゴイド染料で染色した染色物の色彩は、染色条件で異るし、放置によって変化する。これは、インジゴ分子の会合状態の違いによると推測される。そこで、多様な青の色あいを染めることを目的として、様々な染色・放置の条件により、色彩がどう変化するのかを詳細に検討した。色は、目視および分光反射率曲線により比較した。 前年度は、インジゴのハイドロサルファイトによる建て染めについて、染色温度や染色時間が染色布の色相に及ぼす影響や、染色布の放置条件(温度や水分の存在)が色彩変化に及ぼす影響について、綿布と絹布について検討したが、今年度は、生葉染めを検討するとともに、染色布もセロハンフィルム、ナイロン布、羊毛布に拡げて検討したところ、生葉染めは建て染めと同様であることが、ナイロンについては絹と、セロハンフィルム.羊毛については、綿と類似の傾向を示すことがわかった。インジゴ染色布は、被染色物の違いや、染色条件・放置条件によって色彩が変化するが、このことは、退色の違いにも影響を及ぼすことが考えられる。そこで、染色時間を極端に長く、あるいは短くすることで、インジゴの繊維内での染着(会合)状態を変えた試料布を作成し、254nmおよび365nmの紫外線に対する光退色の挙動を検討した。その結果、短時間で染色したものの方が、光退色を起こしやすいことがわかった。これは、短時間の染色の場合、インジゴは染色表面に局所的に高濃度で存在していると考えられるが、このことは、インジゴの会合を促し、退色を起こしにくくすると考えられるが、表面に近いことが酸素との反応を容易にして退色が促進されたものと考えられる。
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