2009 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な衣類洗浄へ向けた商業洗濯のライフサイクルアセスメント
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21500747
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
山口 庸子 Kyoritsu Women's Junior College, 生活科学科, 准教授 (20201832)
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Keywords | クリーニング / ライフサイクルアセスメント / 洗浄 / 温室効果ガス / Sustainability / 家庭洗濯 / テトラクロロエチレン |
Research Abstract |
クリーニングの環境負荷削減に向けて、大規模工場におけるドライクリーニングとランドリーを対象として、工程別の詳細なLCI分析から、温室効果ガス排出量(GWP_<100>を用いて換算したGHG排出量)の算定を行った。さらに、得られた結果を基に、クリーニングのCO_2排出量の削減方法およびカーボンフットプリント(CFP)へ向けた汎用性の高い情報の提供についても検討した。その結果、ドライクリーニングでは、溶剤回収用の蒸気、プレス仕上げ用の蒸気、取次店の電力、ハンガーや手提げ袋を含む包装材のCO2排出量が大きいことが分かった。特に、テトラクロロエチレンの回収に要する蒸気由来のCO_2排出量は最も高い値(0.369kg-CO_2/背広一着)を示し、石油系溶剤よりも多くなることが判明した。一方、溶剤由来のCO_2排出量は、溶剤の消費率を3~20%に抑えることで、CO_2排出量も光化学オキシダント生成も抑えられることが分かった。ランドリーでは、仕上げ工程で使用した蒸気由来のCO_2排出量が大きく、次いで、取次店の電力、昇温用のボイラ、洗剤、台紙のCO_2排出量が高い値を示した。家庭洗濯と比較すると、ランドリーの洗濯・仕上げ工程のみのCO_2排出量はほぼ同程度であった。ドライクリーニングは使用する溶剤の種類によってCO_2排出量は大きく異なり、特に溶剤回収用の蒸気の寄与率が高く、ランドリーでは仕上げ工程の乾燥用蒸気の寄与率が高いことが判明した。ドライクリーニング、ランドリーいずれにおいてもCO_2排出量削減に向けて、ボイラ効率を高めることが必要不可欠と言える。さらに、CFPの算定支援に向けて、衣類一着当たりのクリーニングのCO_2排出量を原単位として「洗い方の違い」「仕上げ工程の違い」「溶剤の違い」を考慮した算定式を示した。
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Research Products
(9 results)