2010 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な衣類洗浄へ向けた商業洗濯のライフサイクルアセスメント
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21500747
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
山口 庸子 共立女子短期大学, 生活科学科, 准教授 (20201832)
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Keywords | クリーニング / ライフサイクルアセスメント / 洗浄 / 温室効果ガス / Sustainability / 家庭洗濯 / ドラム式洗濯機 |
Research Abstract |
揮発性有機溶剤を用いたドライクリーニングは、温暖化やオゾン層の破壊、地下水の汚染などの問題から、使用・管理において法的な規制がされている。これに伴いスーツやセーターでは、ウエットクリーニングやウォッシャブルな衣類が急増した。しかし、ドライクリーニングは水洗いに比べて素材への影響が少なく、多様化したファッション素材の洗浄には必要不可欠な方法である。本研究では、セーターを事例として、ドライクリーニングのCO_2排出量を求めた。更に、家庭洗濯の「手洗い」および洗濯機の「手洗いコース」のCO_2排出量を求め、ドライクリーニングと比較した。また、防縮加工が施されたウォッシャブルなセーターとの比較から、耐久性の評価を含めて、CO_2排出量の少ない衣類クリーニングについて検討した。その結果、セーターのドライクリーニングでは、取次店の電力、溶剤回収用の蒸気、ハンガーや手提げ袋を含む包装材のCO_2排出量が大きいことが判明した。一方、毛100%婦人用セーターを事例としたドライクリーニングと家庭洗濯の比較から、家庭洗濯のCO_2排出量はドライクリーニングの洗浄工程の約1/2であることが分かった。また、「手洗い」では水温上昇用のガス湯沸かし器由来のCO_2排出量が大きく、9℃の上昇(5月の東京の平均水温17℃→26℃に上昇する)の想定でも、洗濯機の「手洗いコース」の約3倍のCO_2排出量となった。パルセータ式洗濯機の「手洗いコース」では洗剤由来のCO_2排出量が大きく、セーターの家庭洗濯はドラム式洗濯機の「手洗いコース」がCO_2排出量を抑えた洗浄性能の高い洗い方と言える。さらに、防縮加工処理によるセーターの耐久性の向上は著しいことが判明した。今後、防縮加工工程のCO_2排出量の算定を含めて、衣類クリーニングのCO_2排出量削減方法について検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)