2011 Fiscal Year Annual Research Report
セサムフラワと大豆の複合化による味噌様発酵食品の開発と健康増進機能に関する研究
Project/Area Number |
21500756
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高崎 禎子 信州大学, 教育学部, 教授 (50171434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 幸道 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80078203)
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Keywords | 発酵食品 / 健康増進機能 / セサムフラワ / 抗酸化性 / ポリフェノール / 加熱調理 |
Research Abstract |
本研究では,従来の研究成果より高い抗酸化能を有することが明らかとなっているセサムフラワ麹を用いて調製した味噌様発酵食品における抗酸化性発現のメカニズムを明らかにするために,発酵熟成過程でのリグナン類の挙動を調べるとともに,味噌様発酵食品の加熱調理時の抗酸化機能を中心とする健康増進機能の変化について検討を行った。 3か月の熟成後のゴマリグナン類の存在量をHPLCにより定量した。セサミン,セサモリン,セサミノール量の存在量をセサムフラワ麹味噌の方がセサムフラワ味噌よりも多く,セサムフラワ麹味噌におけるゴマリグナン類の総量は,セサムフラワ味噌の約2倍であり,これらのゴマリグナン類の存在が抗酸化性に寄与していることが示された。さらに,味噌汁を想定した10%懸濁液を調製し,DPPHラジカル捕捉活性の測定および総ポリフェノール量の定量を行った。加熱5分でDPPHラジカル捕捉活性は非加熱に比べて,対照味噌,セサムフラワ味噌,セサムフラワ麹味噌のいずれの味噌汁でも上昇した。対照味噌およびセサムフラワ味噌においては,加熱10分で非加熱よりもDPPHラジカル捕捉活性は低下した。一方,セサムフラワ麹味噌では,加熱10分で非加熱と同程度であり加熱による影響を受けにくいことが示された。セサムフラワ麹味噌の対照味噌に対するDPPHラジカル捕捉活性は,非加熱の際に,1.4倍であったが,加熱15分後では,1.8倍であった。総ポリフェノール量は,いずれの味噌様発酵食品においても,加熱時間の延長に伴い,増加の傾向がみられた。 以上より,味噌様発酵食品におけるゴマリグナン類の挙動を確認でき,抗酸化性発現のメカニズムの一部を推定できた。さらに,味噌様発酵食品の加熱調理時の抗酸化機能を評価することで,利用法を提案する上での有用な知見が得られた。
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Research Products
(1 results)