2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500758
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
磯部 由香 Mie University, 教育学部, 准教授 (80218544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境部, 講師 (90198119)
平島 円 三重大学, 教育学部, 准教授 (80390003)
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Keywords | γ-アミノ酪酸(GABA) / あこや貝 / ひおうぎ貝 / 乳酸菌 |
Research Abstract |
本研究は、貝類の有効利用の手段として、機能性を付加した新規加工食品を製造することを目的として、貝類を用いたγ-アミノ酪酸(GABA)含有発酵食品の製造条件を確立し、安全性と機能性についての検討を行うとともに、嗜好性成分の分析と嗜好性の調査を実施するものである。今年度は、GABA生成乳酸菌の最適培養条件および製造条件を検討した。実験室保有のGABA生成乳酸菌の中から、生成能の高い株を選択し、Lactobacillus brevisおよびLactobacillus buchneriを用いることとした。L.brevisのGABA生成のための最適培養条件を検討したところ、初発pH5、グルタミン酸濃度5%、35℃、培養期間2日間であった。発酵材料として、三重県内で新規加工法が求められているひおうぎ貝およびあこや貝を用いることとした。材料配合は市販のかまぼこを参考にして、貝100gあたり食塩2.6g、滅菌水30ml、グルコース13g、乳酸菌凍結菌体0.05gを用いた。貝を包丁で細断した後、フードプロセッサーで1分間擂潰、次に、食塩を添加して3分間擂潰した後、滅菌水、乳酸菌スターター、グルコースを添加し、5分間擂潰した。調製したペーストを充填し、37℃で4日間、または、20℃で7日間培養し、発酵させた。いずれの試料も発酵によりpH4付近まで低下した。あこや貝肉のみを用いた場合、pHは低下したが、凝固しなかった。また、L*値が40程度と低く暗く、黒っぽい色であった。そこで、凝固させるために、ひおうぎ貝を同量添加し、色相を改善するために、あこや貝の肝を除去することにした。この条件で調製した試料は20℃7日間の発酵により凝固し、L*値も改善された。ひおうぎ貝単独の場合のGABA含有量は100mg/100g、混合材料の場合は、160mg/100gであった。
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