2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・視覚障害者の生きる楽しみや意欲を向上させるための新しい食空間提案
Project/Area Number |
21500760
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
冨田 圭子 京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (20381931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 貴美子 京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (60148632)
松井 元子 京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (10208069)
饗庭 照美 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (60259413)
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Keywords | tray / color / psychology / appetite / healing / diner / food business management / mealtime |
Research Abstract |
本研究は、高齢者施設や病院等で継続的に使用されている給食用トレイに着目し、トレイの色が喫食者の心理に及ぼす影響について高齢者や視覚障害者を対象に検討を行うことを目的としている。H21年度には、大学生、在宅高齢者、施設高齢者を対象に、先の研究(14色のトレイを用いた大学生対象の研究)で特徴的であった6色のトレイを選出し、トレイの色が喫食者の心理に及ぼす影響について調査を行ったところ、いずれのグループにおいてもパステルカラー(ピンク・イエロー・グリーン)が食欲がわき、楽しく、居心地がよく、生き生きとし、楽しさや癒しを感じる効果がみられるなど、好ましい色であることが明らかとなった。一方、大学生と在宅高齢者では夕食には落ち着いた色(本研究では茶色)を好む傾向を示したのに対し、施設高齢者ではその傾向がみられないことが示された。また、H21年度までの研究では、料理の色の影響を除くため、あえて食事をしない状態で調査をおこなっていたため、H22年度は喫食した場合の効果も検討した。調査は京都府内にある養護老人ホーム入居者50名を対象に、3パターン((1)最も効果的であったピンク色を終日使用(2)朝・昼はピンク色、落ち着きのある色として夕食に相応しいとされた茶色のトレイを夕食に使用(3)コントロールとして以前使用していた黒塗トレイを終日使用)で各々3週間ずつ計9週間の調査を行った。調査内容は残食調査及び喫食の際の心理的状況などを聞き取りで調査した。結果、高齢者施設の入居者は時間帯でトレイの色を変化させるより、明るい色 を好む傾向を示し、ピンク色は茶に比べ食欲を促し、料理の彩りを引き立て、おいしそうにみせることが明らかとなったが、高齢者の体調や好みの影響の方が強く、残食を減少させるまでには至らなかった。これらの結果は本年度日本栄養改善学会近畿支部大会および国際色彩学会(査読付)で発表した他、本の掲載が決定、投稿済みである。
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Research Products
(2 results)