2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・視覚障害者の生きる楽しみや意欲を向上させるための新しい食空間提案
Project/Area Number |
21500760
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
冨田 圭子 近畿大学, 農学部, 准教授 (20381931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 貴美子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60148632)
松井 元子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10208069)
饗庭 照美 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (60259413)
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Keywords | 視覚障害者 / おいしさ / 食空間 / 色 / ロービジョン / トーン / 照明 / トレイ |
Research Abstract |
視覚障害者が快適に過ごせる食空間を整備するために、見えやすい色を調査した。まず、A4サイズの白背景のPCCS色相環をトーンごとに11種類用意し(A)、どのトーンが最も見えやすいかを検討した。トーンの種類は、ビビッド、ブライト、ディープ、ライト、ソフト、ダル、ダーク、ペール、ライトグレイッシュ、グレイッシュ、ダークグレイッシュの11トーン、色相はPCCS色相環に沿って2R(red),4rO(reddish orange),6yO(yellowish orange),8Y(yellow),10YG(yellow green),12G(green),14BG(blue green),16gB(greenish blue),18B(blue),20V(violet),22P(purp1e),24RP(red purple)の計12色を用いた。被験者はロービジョンの方を対象とし、属性、病名、障害の状態、日常の食生活状況の他、食器や食具、照明等の使用状況を尋ねた後、上記色表を用いて見えやすさの調査をおこなった。 結果、自然光をまぶしいと感じる人とまぶしくない人とでは、見えやすいトーンに違いが認められた。 次に、家庭での食事中・調理中における問題点、外食での問題点に加え、苦労を克服した結果得られた工夫点を聞き取り調査によって抽出したため、関係者が知識を共有できる媒体が必要であると考え、本結果をまとめてリーフレットを作成した。 さらに、健常な視覚を有する大学生に視覚障害者疑似体験レンズを装着してもらい、上記同様の白背景のPCCS色表(A)を用いて見えやすいトーン・色相を調査したところ、トーンではビビッド、ブライトの順に、色相では8Y、20Vの順に見えやすいことが明らかとなった。続いて、背景色6色に25色(使用頻度の高い食材色)のカラーチャートを配りつけた自作のカラーチャートを見せ、見えやすさを調査したところ、彩度差よりも明度差をつけた方が見えやすいことが示された。 平成21~22年度の結果を英文著書「Color in Food」の中に「Psychological Effects of Tablecloth Color and Tray Color on Dhlers」として発表した。
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