2011 Fiscal Year Annual Research Report
昭和時代の食物に関する記述データの保存と食文化史的解析-新聞・雑誌・書籍-
Project/Area Number |
21500764
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
大橋 きょう子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (60276615)
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Keywords | 食文化 / 食生活 / 昭和時代 / 新聞 / 食品 / 栄養 / 調理 |
Research Abstract |
【目的】本研究課題は、昭和時代の食物および食生活の実態を史実に基づいて明らかにすることを目的とするものである。昭和元年(1926)から高度成長期に至る昭和36年(1961)までを昭和時代前半期と捉え研究に取り組む。特に食生活において変容と発展を遂げた、太平洋戦争後の復興から高度成長期に至る時期の食物および食生活を明らかにする。 【方法】平成22年度に行った調査(昭和21年~昭和26年)に引き続き、平成23年度は昭和29年までの三年間について調査を行った。東京朝日新聞を資料とし、対象期間に掲載された食生活に関する記述を収集し、収集記事を食品(配給を含む)・栄養・調理・食糧経済・食品衛生・食関連広告・その他に分類整理し、データの保存を行った。 【結果】昭和26年から昭和29年までの食関連記事合計3,059件のデータを保存した。これを上記の項目に分類した結果、全記事数に占める割合は、食品30%(内配給に関する記事が13%)、食糧経済22%、栄養3%、食品衛生3%、調理1%、食関連広告35%、その他6%であった。昭和23年から昭和24年にかけて記事数が急激に増加し、中でも食関連の広告記事の掲載が顕著であった。 終戦直後から昭和23年までは栄養不足が大きな問題であり、質より量の確保が最優先であった。しかし、昭和24年以降は食品の配給制から自由販売となった事に伴い、嗜好品の広告や調理記事の掲載数が増加し、食生活が徐々に回復する兆しが伺えた。保存したデータは昨年同様、現代的手法による検索(年月別・項目およびキーワード別等)可能なデータベースとして準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は作業人員の確保が若干困難であったため、データ保存対象期間が4年間をまとめるにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象としている昭和20年~昭和36年までのうち、平成23年度においては昭和29年までのデータ保存が終了した。今後は残る昭和30年~昭和36年までの資料についてデータ保存を行う。 平成23年度は作業人員の確保が困難となったため、平成24年度は作業人員を増員し、効率よく作業を進めたいと考えている。同時に、全てのデータ保存が完了した後のデータベース化の準備を進め、研究を遂行する。
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Research Products
(1 results)